山間地問題対策委員会を行いました。

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 文部科学省から「へき地教育振興法施行規則の一部を改正する省令案」が示されたことに伴い、下伊那のへき地学校の現基準による点数と省令改正案による点数を計算して、両者を比較して問題点を分析する作業や、文部科学省に送るパブリックコメントの内容について検討する作業を26日と30日の山間地問題対策委員会で行いました。
 まず、5月にへき地学校各職場より提出していただいた、県教組によるへき地学校実態調査を、正確を期すためにもう一度委員が見直して、一部データを修正した上で、点数計算をシビアに行いました。
 その結果、やはり危惧したとおり、点数が下がってしまう学校が20校近くもあり、大幅な点数ダウンにより級地そのものがダウンする恐れのある学校も、10校近くあることがわかりました。また、今回提案されている減点規定の対象となる「当該学校から40km以内に人口3万人以上の市町村の市役所又は町村役場がある場合」に該当する学校が20校以上もあることが分かりました。いずれも、下伊那にとっては重大な問題であり、10年4月の県による指定校の見直しに向けて、級地の維持・改善をはかるために、強力なとりくみを進めていかなくてはなりません。
 まずは2月18日まで文部科学省によって募集される、今回の省令案に対するパブリックコメントについて、とりくんでいきたいと思います。具体的には「学用品等の購入地に係わる加点を廃止する」という部分について、省令案では「スーパーマーケット」を算定要素に加えたことにより整理したとされていますが、「学用品等」とは、児童生徒が使用する鉛筆や消しゴム、ノートなどの類だけではなく、学校事務用品、文房具、図書教材、指導用教材等を販売する店舗を想定しており、スーパーマーケットでは代用しえないことについて、具体的な実態を交えながらコメントしていく必要があります。
 また、「当該学校が都市近郊にある場合(当該学校から40㎞未満に人口3万人以上の市町村の市役所又は町村役場がある場合)に、都道府県の教育委員会または人事委員会が定める点数を減点することができる規定を設ける。(30点の範囲内)」という部分についても、どんな場合にこの規定が適用されるのか、なぜ減点ばかりで加点はできないのか、離島と陸地の両方のへき地学校を抱えていない長野県の場合には、この規定は必要ないこと等を中心に、やはり実態を交えながらコメントしていく必要があると考えています。
 3日にはこのとりくみについての支部拡大闘争委員会が開かれます。まずはへき地学校を中心に各職場でこの問題についての学習を深めていただき、意識を高めていただければと考えます。
 20年ぶりの基準の見直しということでとりくみも、前例のない中で構築していくことになります。支部、職場、そして、下伊那の子どもたちのため、学校のためという考えで一致する全ての方々と一緒に強力にとりくんでいきたいと思います。ご協力よろしくお願いします。

 

支部拡大闘争委員会がありました。

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 29日には支部拡大闘争委員会が行われました。闘争委員長のあいさつの後、まず書記長から交渉に係わる情勢報告を行いました。内容は「へき地級指定見直し」「私たちの賃金が決まる仕組み」「今年度の春闘・人事院勧告・人事委員会勧告・概算要求・県の税収入不振」等についてです。
 続いて協議に入り、地公労・県教組独自要求交渉についての情勢を賃対副部長が説明しました。重点として「賃金の改定・通勤手当・単身赴任手当・へき地手当・労働時間の短縮・育児のための短時間勤務制度」が予想されます。
 また今回県当局から縮減提案がされている義務教育等教員特別手当について、賃対部長から説明がありました。この手当が作られて理由や教員賃金に関わるこれまでの経過などを説明しました。
 各職場からの声では、「今でも教育費などのお金がかかり、家計の負担が重い現状がある。勤務時間短縮の報告も出されているが15分ほどの短縮しても、超勤が増えるだけというのが実態である。これでは新しく教職を目指す人が少なくなってしまう。夢がなくなってしまう。県本部ともよく連絡を取り合って、作戦を立てて交渉に臨んでもらいたい。また支部独自のとりくみも考えてもらいたい」「義務特手当が新設されたときの人材確保法の趣旨を今こそ生かすべき時ではないか。新学習指導要領の試行で授業増となり、加えて不登校の増加などもあり、今ほど教師の専門性が求められているときはない。私たちも研修を深めるなどしていきたいが、やはりそれに見合うものはいただきたい。また、私たちへき地の職場ではへき地手当も1%と大幅減額されてしまい、その上義務特手当まで削減されると大きな打撃である。へき地手当の支給率復元もともに訴えてほしい」など切実な声が出されました。
 その後、今後の交渉に向けて、職場の声を模造紙に記入してもらいました。「朝早く、夜遅くまで、時に休日にも学校に来て教材作り、授業準備をしています。すべて子どもたちのことを思えばこそです。そのためのエネルギーを下さい」「教員として誇り、使命でがんばっている。命を削る勤務実態を正しく理解されたい」「義教特別手当はこれからの教育を支える大きな柱です。へき地手当の回復とともにこれを守ってください」など現場の切実な生の声をたくさん書いていただきました。
 最後に団結がんばろうを行って下伊那支部の団結を確認しあいました。交渉では今回の闘争委員会で出された意見や寄せ書きの言葉を元に下伊那支部としても力を尽くして義務特手当の縮減阻止やその他諸要求の実現に向けてがんばりたいと思います。ご支援よろしくお願いします。

へき地級地指定基準の見直しについて

 今年度、下伊那支部にとって最大の課題であるへき地級地指定基準の見直しの問題ですが、9月24日付けの県教組からの情報によると、日教組からの情報として、日教組がへき地級地指定基準の見直しにかかわって文科省折衝を行ったところ「新しい級地指定による手当支給の変更時期は、再来年の2010年4月とする」ことが判明したとのことです。なお、文科省の省令(へき地教育振興法施行規則)改定は、年内もしくは09年3月までに行われる予定とのことです。
 これは、文科省が、この秋に行われることになっている人事院による特地勤務手当(離島その他の生活の著しく不便な地に所在する公署(特地公署)に勤務する職員に支給される)の見直しとの均衡を図ることや、各県におけるへき地級地見直しの事務手続きにかかる準備期間を考慮したためと考えられます。
 結論が1年先送りされることになっても、へき地級地指定基準の課題が、下伊那支部の最大の課題であるということに変わりはありません。先を見通してうえでの、より息の長いとりくみが必要になります。執行部も全力でとりくんでいきますので、職場長、評議員の方をはじめ、皆さんのご協力をお願いします。

 

へき地学習会③が開かれました。

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27日(金)には、1988年へき地級地指定見直し時に執行委員長を務められ、とりくみの先頭にたたれた塩沢正人先生をお迎えして、3回目のへき地学習会を行いました。
 先生が委員長をされていたのは20年前のことですが、とりくみの詳細にわたって、まるで昨日のことのようによく覚えておられて、様々なことを教えていただきました。
 一例を挙げれば、教育七団体を中心としたとりくみ、文部省への2度にわたる陳情行動や、文部省の担当者による下伊那の現地視察を実現させて、下伊那のへき地性を理解してもらうためにどこをどのように案内したかなどです。
 20年前と今では私たちをとりまく環境が大きく変化していることは確かです。しかしTVの難視聴の問題や、極寒地帯の扱い、教育事務所との懇談や教育七団体による県陳情のタイミングなど、今回のとりくみに直接生きる事柄についても、先生のとりくみをもとにご助言いただきました。組合に対する情熱が先生の言葉の端々に感じられて、私たちも襟を正す思いでした。ご助言いただいたことをこれからのとりくみに生かしていくことが、先生への恩返しになると思います。

第3回山間地問題対策委員会が開かれました。

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5日には第3回山間地問題対策委員会が開かれました。へき地級地指定の見直しに向けて、愛知県や静岡県などの隣県のへき地級地指定の状況についての調査結果を確認しました。また、へき地における道路事情について、国土交通省や飯田建設事務所などから資料を取り寄せて、過去の通行止めの回数などの実態把握を行いました。さらに、食料品・日用品の購入店や教材・学用品の購入店などの実態を把握するためにアンケートを作成して、へき地学校の職場にお願いすることになりました。最後に委員全員で手分けをして、職場長の皆さんに苦労して書いていただいた「へき地学校実態調査」の結果を分析してみました。文科省による新基準の告示はまだですが、現時点における実態を把握するようにさらに努めていきたいと考えております。とりわけへき地学校の単組長・職場長・評議員の皆さんにはお世話になりますがよろしくお願いします。

 

第2回山間地問題対策委員会がありました。

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 21日に第2回山間地問題対策委員会がありました。全てのへき地学校に提出いただいたへき地学校実態調査の結果をまとめたり、分析の仕方について検討したりしました。また今後のとりくみとして考えられることについても協議しました。今年は大切な年なので、山間地問題対策委員会を中心に精力的に活動していきたいと思います。

へき地級地指定見直しに向けての学習会②

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28日には元書記長の青嶋先生をお迎えして、四役と山間地問題対策委員会のメンバーが参加しての2回目のへき地級地指定見直しに向けての学習会が行われました。青嶋先生は前回02年1月のへき地級地見直し時に、下伊那支部の書記長としてとりくみの先頭に立ち、素晴らしい成果を残された実績をお持ちの方です。書記長の情勢報告の後、青嶋先生から7年前のとりくみの様子について具体的で詳しいお話をいただきました。その後参加者全員で今後のとりくみの方向について意見を出し合いました。

「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」伝達講習会が開かれました。

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25日18:00~教育会館第3会議室にて、「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」伝達講習会が開かれました。週末の多忙な時間にも関わらず、へき地校の全職場の代表の先生方にお集まりいただきました。書記長のへき地指定の意味、現在の状況、級地の決められ方、今後の日程と実態調査について、へき地級地の変遷などに関する情勢報告の後、県教組から下りてきている「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」、「補足事項に関わる実態調査」「生活実態調査」の記入の仕方について、賃対部長、法制部長が説明しました。参加された先生方からは細かい点についても質問があり、前向きにとりくんでいただける姿勢を感じることができました。また「金融機関が12:00までにしか開いていない」「診療所がもう少しで閉鎖になってしまう」など改めて、厳しい状況が報告されました。今年度のへき地級地見直しに関わって、基礎資料となる大切な調査になります。職場長の先生方にもご面倒をおかけしますが、5月9日までに「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」「補足事項」「生活実態調査のまとめ」の3枚を、支部書記局に提出いただけるようによろしくお願いします。

定期大会議案書の要点

1 賃金・諸手当の引き上げ
(1) 春闘の現状と実感なき景気拡大
02年から続く景気拡大は6年にもおよび、一部の企業では史上最高益を更新するところもあります。政府は「戦後最長の景気拡大」であるといっています。しかし、最近では食料品やガソリン・灯油等の燃料費や生活必需品の値上がり、4月からは公共料金も値上がり、多くの労働者にとっては好景気という実感はありません。
大企業はコスト削減をめざして、人減らしや賃下げ、パート・派遣・請負など非正規雇用への置き換えをすすめています。その結果、07年8月には、雇用者の30%以上(1,731万人)が非正規雇用者となっています。労働者の平均賃金は9年連続で下がり続け、00年と06年を比較すると、年収200万円未満の低賃金層が200万人近くも増えています。
こうした情勢の中で08年春闘では、賃金の底上げと格差是正に結びつく賃金改善、非正規労働者の処遇改善や正社員化、労働時間の短縮などを目標に掲げました。低迷する個人消費の起爆剤にと福田首相からも産業界に異例の要請があり、賃上げ水準が焦点となり、労組側は前年水準を上回る賃上げを目指しましたが、大半は前年横ばいの水準に留まっています。
春闘の相場形成に大きな影響力をもつ自動車、電機、鉄鋼などの主要労働組合に対し、経営側の回答では、大半が3年連続の賃上げとなっています。しかし、急激な円高や原燃料価格の高騰から、賃上げ幅は前年並みの水準に留まりました。2,000円の統一要求をおこなった電機大手の回答は、前年と同じ1,000円で横並びとなっています。鉄鋼大手では、新日本製鉄やJFEスチールなどが2年分で1,500円(産別試算)と前回実績を上回る水準を確保しました。
自動車では、春闘相場をリードするトヨタ自動車が組合要求の1,500円に届かず、前年実績と同じ1,000円で回答しています。しかし、日産自動車は、定期昇給と賃上げを含めた賃金改定原資で前年実績(6,700円)を上回る7,000円の満額回答となり、ホンダは逆に前年を100円下回る800円で決着しています。
一時金では、トヨタが253万円と満額回答したほか、三菱電機など業績を反映して前年を上回る回答もありました。また、住友金属工業は前年と同様に一時金(年間226万円)に加え、「ライフプラン支援一時金」を1人平均20万円支給することで、労組側要求(年間240万円)を実質的に上回る回答となりました。
連合は春闘の妥結結果を公表し、賃金改善は6,401円(定期昇給分込み)となり、前年より259円のプラスだったとしています。高木剛会長は「労働分配率の反転、内需拡大に十分とは言い難いが、厳しい状況の中、昨年を超えることはできた。続く中小、パートなどの交渉につなげたい」と述べました。金属労協の集中回答では1,000円(定昇分除く)前後の賃金改善で前年並みでしたが、内需産業も含めた全体では前年を上回りました。業種別では製造業が前年を89円下回ったものの、商業・流通や交通運輸では昨年を500~1,000円上回り、内需産業を中心とした組合では賃金改善額が1,182円(定期昇給分除く)で、前年より142円プラスとなっています。パートの組合は、昨年を2.6円上回る22.4円(要求25円)でした。
今春闘では、昨年並みまたは多少上回る結果となりましたが、好調な企業業績が労働者へ還元されているとは言い難く、その伸びも抑えられている傾向にあり、業種によってもばらつきが見られます。また、“賃上げ”といいながら、全社員の基本給を一律に底上げするベースアップ(ベア)に代わって、賃上げ原資を育児支援など特定分野に回す動きが電機業界を中心に広がりはじめています。経営側は人件費の伸びを抑えられますが、賃上げの恩恵が全社員に行き渡らない恐れもあります。
県内でも06年9月中間決算で増益となった企業が多く、業績上では景気拡大が続いています。しかし一方で、02年以降、県内の平均賃金は目立って伸びておらず、個人消費の現場も「回復を実感できない」との受け止めが目立ちます。職業安定所別求人倍率は、大町、飯田で微増傾向ではありますが、他地域では前年を下回っており厳しい状況となっています。有効求人倍率など雇用面でも地域間格差が出ており、中小企業や労働者にとっては、「実感なき『最長景気』」の様相になっています。