第8回評議員会が行われました。

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  13日には今年度最終となる第8回評議員会が行われました。委員長のあいさつの後、書記長から情勢報告がありました。内容は「勤務時間の7時間45分への短縮は、諸般の事情から4月からの実施は見送られそうなこと」「育児短時間勤務制度の概要について」「来年度長野県予算について」等です。続いて県教組からのあいさつがあり「へき地級地指定基準に関わる情勢」「育児短時間勤務制度について」「勤務時間短縮に向けての現在の情勢」について触れられました。
 続いて議事に入り、「2009年度職場組織確立・とりくみに関する件」を原案通り承認していただきました。協議題1「へき地教育振興法施行規則の一部を改正する省令案について」は書記長が、現在の情勢についてプレゼンで説明を行いました。このことについては、現在へき地学校職場を中心にパブリック・コメントを文部科学省に送付するとりくみをしていただいています。協議題2「支部専門委員会からの答申及び経過報告」では以下のように各専門委員会より答申をいただきました。
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          山間地問題対策委員会 答申
   
 1 へき地教育振興法の基本理念を生かし、来年度のへき地級地指定に向けて、山間地の生活実態にあった級地指定になるように下伊那教育七団体などとともに国、県に強く要望していただきたい。
  今年度支部では、へき地教育振興法の点数基準が現在の私たちの生活に合致したものでないことを、現場の実態や具体的なデータをもとに明らかにし、山間地校の実態を反映した基準見直しになるように国や県に強く要求していただきました。今後はまず、パブリック・コメントを通して新しい基準が山間地校の実態を十分反映したものになるよう、国に強くはたらきかけていただくことをお願いします。県が行うへき地級地の指定にあたっては、11月17日県教組独自確定交渉で確認されたように現地調査を必ず行い、へき地勤務者の勤務状況、生活実態をふまえ、現地の把握を行ったうえで指定がなされるようにとりくみをお願いします。
  また、かねてからの懸案であった「天龍地区のへき地校指定」の実現ですが、新しい基準では特別な地域にもあてはまらないおそれがでてきています。実際はほとんど利用しないJRの駅が近いと言うだけでへき地級地の指定から外れてしまう天龍地区の級地維持・改善に向けたとりくみもあわせてお願いします。さらに、県教組本部にも「へき地対策委員会」を設置し、県教組が一丸となってこの問題に取り組んでいただくことをお願いします。

2 山間地校の具体的な実地調査をさらに深め、その実情や教育上の困難点・問題点を関係諸機関に強く働きかけて、へき地手当及びへき地手当に準ずる手当の引き上げ、へき地特昇にかわる昇給号俸数の上乗せが実現するように努めていただきたい。
  山間地に勤務するということは、生活物資は街場より高く品数はそろわない・単身赴任で二重生活を強いられる・怪我や病気による治療は病院の往復に時間がかかる・街場へ買い物に出るにも時間と交通費をかけて往復しなければならないなど、不自由や不安を抱えての勤務であり生活になっています。また、家庭を持つ中堅層が、自分の生活を守るため山間地に勤務することをやむを得ず拒否する事態も起こり、職員構成は若年層に偏り気味です。このような実態をしっかり伝え、へき地手当及びへき地手当に準ずる手当の回復、へき地特昇にかわる昇給号俸数の上乗せが実現するために、強い働きかけととりくみをお願いします。

3 特に、小学校の「飛び複式学級」、中学校の「複式学級」解消のための加配職員確保について引き続き関係諸機関に働きかけていただくとともに、「変則複式学級」においては学校の実態に応じた学級編制を可能にする方向を研究していただきたい。
  児童生徒数が減少する中で、今後複式学級とならざるを得ない状況に陥る学校が増えてきます。特に小学校の「変則複式学級」は、連学年による学習指導カリキュラムを研究実施し、成果を上げている学校にとっては毎年カリキュラムを変えなければいけないという、児童にとって好ましくない状況が現れてしまいます。各校の実態に応じて柔軟な学級編成が可能になる方向を研究していただきたい。
  また「小学校の飛び複式学級」「中学校の複式学級」では、教材も学習内容も大きく違う二つの学年が同時に一つの教室で一人の教員が指導しなくてはならないため、教育上様々な困難点があらわれてきます。小中共に教職員の人数が少ないために起こる教育の質の低下、教職員の負担増を防ぐため、今後も加配職員確保について、後退することが無いよう引き続きのとりくみをお願いします。

4 現在の緊急事態に対応するため、山間地問題対策委員会の活動を継続していただきたい。
  緊急な対応が必要とされる現在の状況から、来年度新執行部による専門委員会設置までの間も、引き続き山間地問題対策委員会を設置し、へき地級地基準の見直しに対応するとりくみを行っていただきたい。 委員は状況を理解していることが望ましいことから、できるだけ今年度の委員が継続して活動を行うことをお願いします。

          教育問題専門委員会  答申
1 飯田・下伊那郡内の特別支援教育に関わる現状と課題の把握に努め、保護者や地域の方々等との連携およびあり方について考え、積極的なとりくみを進めること。
(1)特別支援教育の実態や児童生徒についてより深く知るために、私たち教職員はもちろんのこと、保護者や地域の方々とともに研修する機会を設けていくこと。
(2)特別支援教育支援員が、支援を必要としている児童生徒をよりよく支援できるよう、情報交換の機会を設けていくこと。
(3)特別支援教育も施設・環境の充実と支援員増などについて、積極的に各自治体や教育委員会にはたらきかけていくこと。

          組合活動検討委員会答申
1 組織財政の見通し
(1)組織
  高い組織率を誇る下伊那支部ではあるが、内訳をみると正規採用者の割合が下がり臨採者の割合が上がっている。正規採用者の加入促進に引き続きご尽力いただきたい。
 2001年度以降組合員数が1000名を割りこみ、徐々に減少が続いてきたが07年度、08年度はほぼ970名で組合員数の減少に歯止めがかかっている状態である。今後、組織強化・健全財政維持の面から、組合加入促進のために引き続き地道な努力が必要であろう。新規採用者については100%の組合加入をめざし、40代50代の正規未加入者については職場と連携し個別具体的な対応を検討していく。
① 年度当初の職場組織確立期に執行部が各職場に声をかけるなど直接的なとりくみをする。さらに組織強化月間のみならず、年度を通して加入の情宣活動を展開する。
② 他支部で行っている湯巡り券のような組合員だけのメリットと思えるとりくみを検討していく。
③ 組織率が極端に低いなど加入促進がむずかしい職場には支部執行部からの支援を行う。
(2)財政
  組合費収入を支出がほんのわずかだが上回ってきている現状を踏まえ、一層の組織強化のとりくみと歳出削減の努力を行うこと。
 ここ数年組合費収入を支出がほんのわずかだが上回ってきている。現在は雑収入や前年度繰越金などにより今まで通りの予算執行や組合業務を行うことができているが、今後県本部からの補助が切られたり、組合員数の減少により組合費収入が減少すれば、財政運営上支障をきたす可能性も否めない。
① 一層の組織強化のとりくみと歳出削減の努力につとめる。
② 組合費の増額は組織の後退につながり組合離れを加速させるおそれがあるため避ける。
③ 下伊那支部の地域性を考慮すると旅費は現状維持とする。
④ 思い切った歳出削減として例えば、職場活動補助費のあり方や金額等を検討していく。

2 従前より全県をリードして繰り広げてきたへき地手当・準ずる手当の支給率の引き上げ、へき地特昇にかわる昇給号俸数の引き上げ、寒冷地手当の全県支給に向けた支部のとりくみを全県に広げること。
 今年度の執行部もへき地・準ずる手当の支給率の引き上げ、へき地特昇にかわる昇級号俸の引き上げ、寒冷地手当の全県指定にむけて、県議へのはたらきかけによる県議会という公の場での教育長答弁、下伊那教育七団体との連携による県教委へのはたらきかけ、県教委交渉での訴え等々全県をリードする精力的な運動を展開したと言えます。へき地校に赴く職員が安心して教育実践に打ち込めるよう、また統計上の寒冷地指定では現場実態に合わないことを全面に打ち出し、へき地手当の改善、寒冷地手当の全県支給に向け、全組合員の叡智を結集し全県の運動に発展させていただきたい。

3 支部執行部の活動実績をふまえながら、社会情勢の変化にともなった組合活動のあり方についての論議を行い、改革を一層すすめること。
(1)多忙化解消が進むようはたらきかけること。
  多忙化解消の声は、各職場からあげられており大切な課題と考えられます。また地公労交渉では、4月からの勤務時間短縮の実施は見送られましたが、早期に条例改正がなされるよう、課題を整理し引き続きとりくみを強化していくことが重要です。様々な場面・アンケート等から多忙化解消や勤務時間外に仕事をせざるを得ない状況の改善を求める職場・組合員の声が上がっており、今年度も行った教育会や長頭組への申し入れ(懇談)などで組合員の要望を伝えるなどのとりくみを行う必要があると思われます。教育に限りはありませんが時間には制約があります。多忙化の解消について学校長に必要な措置を講じていただくとともに、教職員の加配などにより仕事量の軽減をはかるとりくみも重要と考えられます。
(2)統合・改編の動きにあわせた先を見通した準備や配慮をしつつ、単組活動がより活発に行われるよう直接・間接の働きかけや、情報提供にとりくむこと。
  市町村合併により、飯田市単組の活動範囲が一層広域になり、単組の活動が幅広い範囲の職場にまたがるようになっています。また、県独自加配教員や特別支援教育支援員の配置が市町村教委の裁量となり、益々重要となってきました。そこで、今年度各単組に担当執行委員を配置したように、今後も支部執行部が単組活動の充実に向けたアドバイザーとなり、飯田・下伊那地区の教育の条件整備および教職員の待遇改善をすすめられるようにしていただきたい。
(3)教育会のグループウェア等を参考にしつつ、各校への情報提供・連絡・会合通知等をメールで配信できるように研究を進め、早急に実現すること。
 インターネットや携帯の普及に伴って、社会情勢の変化はさらに加速し、組合を取りまく環境も刻々と変わっている現状においては、組合活動には正確さや十分な配慮とともにその時々に応じた素早さが求められています。そこで、下伊那教育会のグループウェアや下伊那事務研究会のメール網のように、メール配信による連絡・通知を早期に実現できるようとりくんでいただきたい。
(4)支部内の各組織の会議に参加する組合員に、評議員会・代表者会の役割と権限について広く周知徹底をはかるとともに会の活発かつ適正な運用をはかる。
 支部内に組織される諸会議は、支部規約議事運営規定においてすすめていくものです。そこで、各職場から選出された職場長・評議員・代議員の役割と権限について4月の早い段階に理解できるようにし、組合活動に積極的にとりくめるようにしていただきたい。
① 評議員会をはじめとする諸会合の定刻開始に向け、各学校長への配慮を求める。
② 多くの職場から様々な意見が反映されるよう会の進め方の工夫をはかる。
③ 定刻終了に向け、例えば今年度のように情勢報告を簡潔明瞭なものとするなどの工夫をはかる。

4 「組合活動100年のあゆみ」刊行に向けてのとりくみをすすめていただきたい。
 本年度、支部組合結成64周年を迎え、「50年の歩み」以降のとりくみをまとめてきました。しかし、時間的な問題もあり資料収集など十分なまとめができていません。来年度も引き続き記録の収集と整理 ・保存の活動を委員会や過去の役員に任せるなど、とりくみがすすむように対処していただきたい。

          介護・保育問題対策委員会 答申
1 介護、育児に関わる制度や権利について、実際に必要な人の多様なケースに対応できるような形で運用できるような改善にむけて、関係機関にはたらきかけていただきたい。
  ・「被介護者が同じ病気でも再度取得できる(継続できる)介護休暇に」
  ・「1日単位でとれたり、年休のように積み上げのできる介護時間制度に」
  ・「介護・育児に関わる権利を運用しやすくするための代替者のスムーズな配置」
2 介護・育児に関わる権利行使にあたって、職場としても協力がはかられるように、権利についての理解が深まるようにしていただきたい。
  ・評議員会、代議員会など、組合員が集まる機会や支部情報などでの情宣活動。
  ・運用者が行使しやすい職場環境づくりへの働きかけ。
3 介護・福祉問題などについて、地域と連携して取り組んでいただきたい。
  ・飯伊地区の関係諸機関との情報交換を積極的に行う。
4 介護・育児等に関わる制度や権利について、管理職の理解が進むように校長会、長頭組へ申し入れを行っていただきたい。
5 介護の問題を抱える教職員、保育問題に面している教職員、どちらにも必要な情報提供などのはたらきかけをしていけるよう、来年度も介護、保育に関わる専門の委員会を設置して活動を推進していただきたい。また、活動を焦点化していくためにも、それぞれの委員会を別にして設置していただきたい。

 協議題3「県・支部役員選挙の反省」についてでは、参加者から「ある職場から出されたビラの内容に問題があった。回収していただいた誠意は認めつつ、なぜそうなったのかについて総括が必要であり、質しておきたいと考える」という意見が出されました。これに対しては書記長が「執行部としてもあってはならないことと考えており、来年度の執行部、選挙管理委員会に確実に引き継ぎを行う」旨を表明しました。
 協議題4「2008年度評議員会反省」では「組織拡大のとりくみなど職場活動の経験を語り合い、交流する場を設けてもらいたい」という意見が出されました。来年度に向けて前向きに考えていきたいと思います。
 さらに評議員の皆さんからは「今年度工夫した点」や「開始時刻・回数・開催期日」、「内容について」など反省を寄せていただきました。今年度工夫した「プレゼンを利用した情勢報告」「支部ホ-ムページの活用」「タイムリーな号外発行」「連絡事項・配布物プリントを活用し、評議員会の時間短縮」については、「プレゼンの準備は大変だったと思うが、わかりやすく要点的でよかった。」「連絡事項。配布物が多く困ることがあったが、今年はわかりやすくまとめていただきありがたかった。学校へ戻ってからも配布提出する時に確認できて便利だった」「号外は見やすいレイアウトでよかった」「ホームページが見やすくよくできていた」など、概ね好評でした。
 「開始時刻・回数・開催期日」については、今年度並みでよいという意見が多数でした。金曜日の開催がありがたいという声もいくつかあったので、来年度の日程編制では考慮していきたいと思います。
 評議員の皆様には1年間、支部と職場のパイプ役、また職場活動のまとめ役としてご尽力いただき本当にありがとうございました。来年度に向けての継続課題が例年以上にたくさんありますので、各職場における引き継ぎを確実に行っていただけるようよろしくお願いします。