第2回山間地問題対策委員会がありました。

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 21日に第2回山間地問題対策委員会がありました。全てのへき地学校に提出いただいたへき地学校実態調査の結果をまとめたり、分析の仕方について検討したりしました。また今後のとりくみとして考えられることについても協議しました。今年は大切な年なので、山間地問題対策委員会を中心に精力的に活動していきたいと思います。

県教組春闘要求回答交渉が行われました

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 20年度県教組春闘要求回答交渉が19日の13:30から長野県庁で行われました。参加者は県教委から教育次長、義務教育課長、教学指導課長他、県教組からは執行部一同と各支部の委員長・書記長が参加しました。この交渉は過去の確認と昨年度確定結果にもとづく現場改善のための施策及びその実績の確認、今年度のスタートに当たっての要求に対する回答獲得を主な目的として行われます。
 下伊那支部からは委員長が上村のスクールバスの拡大写真を示しながら、以下のように発言してへき地級地見直しにあたっての県教委の姿勢を質問しました。
 「文部科学省は今年の3月~4月にかけて、1割抽出による各県の実態調査を行い、へき地級地を指定する基準を見直そうとしています。そして今年度中には、新しい基準を受けて県教委によるへき地級地指定の見直し作業が行われる予定です。
 前回の見直しからの7年間、交通条件や文化的諸条件等について一定の改善が進んでいる部分もありますが、それ以上に、都市部地域の社会的・文化的・経済的諸条件は向上しており、いわゆる相対的へき地性は一層拡大しているという現実があります。
 例えば、下伊那地域唯一の総合病院は飯田市立病院ですが、ここ数年の医師不足の影響が大きく、総合病院の条件である産婦人科や眼科などが現在診療制限を行っており、総合病院としての機能が危うくなっている現状があります。
 また、公共交通機関としてはJR飯田線と信南交通のバス路線がありますが、JR飯田線は1時間に1本程度と列車の本数も少なくダイヤも不便なので、住民に利用される機会は少ないのが実情です。また信南交通のバス路線も同様で、信南交通では飯田下伊那地方で直営運行している一般路線バス全12路線28系統について、2010年3月をめどに直営方式から撤退する方針を既に明らかにしています。
 指定基準には含まれていませんが、少子高齢化の問題も深刻です。4月1日の現在の県情報統計課のまとめによると天龍村52.1%、大鹿村が50.5%と「限界自治体」となっており、その他にも売木村(45.4%)、根羽村(44.4%)、阿南町(40.0%)と言う実態です。人口減による更なる厳しい財政状況はへき地教育を一層後退させることが懸念されます。
 もし、この度の級地基準見直しで現行の級地が引き下げられるならば、国等からの補助金の有無も含め、今でさえ様々な困難性を持つへき地の教育が一層困難になることが考えられ、へき地教育振興法における教育の機会均等の趣旨に反することになります。
 実際に、へき地児童生徒援助費等補助金ですが、H20年度文部科学省では、7億8000万円の予算配当がされております。その補助金を使って、H16年度、旧上村では、この写真のようなスクールバスを購入しております。児童生徒の大切な足として役割を果たしております。指定が外されたら、この補助金も受けられなくなってしまうおそれがあります。
 「へき地」校等への勤務は、冬期・雨期はもとより、危険な道路の状況、食料品をはじめとした日用品、教材購入の不都合、金融機関の不便さに加え、帰省の不便さ、家族を伴った異動の難しさ等があり、生活上の困難、経済的・精神的負担も少なくありません。現実にへき地校における人事異動に関しては厳しい現実が聞こえてきます。
 一昨年の10月、わたしたちの強い反対を押し切って、全国に類を見ないへき地手当の支給率の大幅削減が実施され、へき地校に勤務する教職員の生活が脅かされている実態は改めて言うまでもありません。
 「百聞は一見にしかず」という例えもあります。前回02年の見直し時にも県教委による下伊那地区の現地視察が行われました。そして阿南地区で懇談会を開いていただき、現地で直接現場の教職員の声を聞いて、実態把握に努めていただいた経緯があります。今回のへき地級地の指定見直しにあたっても、昨年度の県教組独自交渉の口頭メモ確認にある「へき地級地の指定見直しにあたっては、へき地勤務者の勤務状況・生活実態を踏まえ、現地の把握に努める。」の具体として、是非とも、前回のように県教委の方に下伊那に来ていただき、現状把握に努めていただくことをお約束いただきたいと思います。」
 また県教組の賃対部長からも3月~4月にかけて文科省より下ろされた抽出による「へき地級地実態調査」の結果についての質問や、へき地級地指定に絞っての県教委交渉設定の要請、生活実態を反映した級地指定を行ってほしい旨の県教委から文科省への意見反映の要請などを行いました。
 これに対して、義務教育課長から「へき地級地見直しについては、実態にそった見直しをしていきたい」「前回交渉が持たれたことは承知している。状況に応じて考えてきたい」という回答がありました。
 交渉は細かいステップの積み重ねが必要になります。今回の回答を一歩前進と受け止めて、さらに7月の県教組独自要求提出交渉、9月の県教組独自要求回答交渉、同じく9月の下伊那教育七団体県教委陳情など、あらゆる機会に県教委に対して、直接下伊那の現状の訴え続けていきたいと考えています。へき地学校の現場の実態、教職員の生の声などが大切です。支部書記局にお寄せいただければと思います。

へき地級地指定見直しに向けての学習会②

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28日には元書記長の青嶋先生をお迎えして、四役と山間地問題対策委員会のメンバーが参加しての2回目のへき地級地指定見直しに向けての学習会が行われました。青嶋先生は前回02年1月のへき地級地見直し時に、下伊那支部の書記長としてとりくみの先頭に立ち、素晴らしい成果を残された実績をお持ちの方です。書記長の情勢報告の後、青嶋先生から7年前のとりくみの様子について具体的で詳しいお話をいただきました。その後参加者全員で今後のとりくみの方向について意見を出し合いました。

「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」伝達講習会が開かれました。

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25日18:00~教育会館第3会議室にて、「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」伝達講習会が開かれました。週末の多忙な時間にも関わらず、へき地校の全職場の代表の先生方にお集まりいただきました。書記長のへき地指定の意味、現在の状況、級地の決められ方、今後の日程と実態調査について、へき地級地の変遷などに関する情勢報告の後、県教組から下りてきている「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」、「補足事項に関わる実態調査」「生活実態調査」の記入の仕方について、賃対部長、法制部長が説明しました。参加された先生方からは細かい点についても質問があり、前向きにとりくんでいただける姿勢を感じることができました。また「金融機関が12:00までにしか開いていない」「診療所がもう少しで閉鎖になってしまう」など改めて、厳しい状況が報告されました。今年度のへき地級地見直しに関わって、基礎資料となる大切な調査になります。職場長の先生方にもご面倒をおかけしますが、5月9日までに「へき地級指定基準見直しに関わる実態調査」「補足事項」「生活実態調査のまとめ」の3枚を、支部書記局に提出いただけるようによろしくお願いします。

定期大会議案書の要点

2 山間地勤務者の勤務条件改善
長野県に存在するへき地校の約40%が下伊那にあります。そして、下伊那69校中29校が「へき地学校」「へき地学校に準ずる学校」「特別の地域に所在する学校」に指定されています。多くの山間地校がある下伊那にとって、08年~09年にかけて、へき地級地指定基準の見直し、新しい基準によるへき地校指定という大変重要な動きがあります。
 へき地級地指定の日程
2008年4月・・・国によるへき地級地指定基準の見直し
2009年1月・・・県によるへき地校指定
(1) 02年度「へき地級地の指定維持改善」にむけたとりくみと成果 
前回、「へき地級地指定見直し」が行われた02年度は、へき地級地維持改善を下伊那支部の重要課題としてとりくみ、大きな成果をあげることができました。山間地問題対策委員会*25では、山間地訪問や現地調査に来た県教育委員会と懇談会をもち、実情を直接に訴え、級地の維持・改善を要望しました。その結果、富草小学校・清内路小学校・清内路中学校・清内路給食センターが「特別の地域に所在する学校」から「へき地学校に準ずる学校」に改善されました。
(2) 09年「へき地校指定」にむけたとりくみ
今回の「へき地級地指定見直し」へ向けて、下伊那支部では昨年度から数多くのとりくみをすすめてきました。
07年7月9日には、山間地問題対策委員会と下伊那支部で天龍村への山間地訪問を実施しました。天龍村単組職員との懇談会では「へき地としての生活実態には、何ら他の1級地との違いがないのに、平岡駅があると言うだけで、へき地級地指定を受けられず、そこに勤務するものとしては不公平感はぬぐえない」という生の声が出されました。
07年9月27日には、下伊那教育七団体として、天龍村単組職員からの声を生かしながら「へき地級地指定校及び小規模校の学習環境の維持・充実をはかり、どの子も質の高い教育を受けられるような条件整備を行うこと」を最重要項目として県に要望しました。
07年12月7日には、下伊那支部四役が文部科学省を訪れ、へき地級地指定改善へ向けての要請を行いました。3,417筆の署名を届けるとともに、写真や資料を使い、下伊那の実情とへき地級地指定維持改善等を強く訴えました。下伊那支部という一支部が、直接文部科学省へ要請に出向くことは他に類を見ない、大変画期的なとりくみでした。
08年3月26日には、県教組より楯賃対部長を講師に迎え、下伊那支部四役、執行委員が参加して「2008へき地級地指定に向けての学習会」を行いました。楯賃対部長からの最新の情勢説明、02年「へき地級地見直し」の資料を使い、へき地級地を決めるための点数計算方法の学習、今後のとりくみについてさまざまな意見交換を行いました。
  今後のとりくみとしては、
① 下伊那教育七団体陳情において、昨年度に引き続き、へき地級地指定に関わる要望を最重要項目にして行います。
② 山間地問題対策委員会の委員数を増やして、新しい指定基準において、現在の級地の維持・改善につながる具体的な提案を探っていきます。
③ へき地校がある下伊那の市町村議会で、単組を通じての県教委への請願・陳情を採択していただくようにはたらきかけて行きます。
④ 下伊那支部の組合員はもちろん、長頭組やへき地校のPTA会長にも協力を依頼して、へき地級地指定の維持・改善の署名運動を行います。
⑤ 県教委が市町村教育委員会を通じて行う「へき地学校現状調査」に対して、07年度の県教組単独交渉での口頭メモを踏まえて「十分な現地調査を実施」することを県教組から県教委へ申し入れてもらうように要請します。
以上のようなとりくみを中心に、下伊那支部の悲願である天龍小学校・中学校のへき地級地指定など、へき地級地指定の維持・改善に向けて全力でとりくんでいきます。

退職組合員感謝慰労の会がありました。

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5日は永年にわたり組合員として活動いただいたお二人の先生方にご出席いただいて、退職組合員感謝慰労の会が行われました。お二人の先生方のお話では、貴重な体験談も交えて「平和教育を大切にしていく組合活動であったほしい」や「仲間を守る組合活動であってほしい」という趣旨のお話がありました。いつまでも変わらぬこれからの活動の礎となることとして聞かせていただきました。お二人の先生方いろいろご指導いただきありがとうございました。