定期大会議案書の要点

2 山間地勤務者の勤務条件改善
長野県に存在するへき地校の約40%が下伊那にあります。そして、下伊那69校中29校が「へき地学校」「へき地学校に準ずる学校」「特別の地域に所在する学校」に指定されています。多くの山間地校がある下伊那にとって、08年~09年にかけて、へき地級地指定基準の見直し、新しい基準によるへき地校指定という大変重要な動きがあります。
 へき地級地指定の日程
2008年4月・・・国によるへき地級地指定基準の見直し
2009年1月・・・県によるへき地校指定
(1) 02年度「へき地級地の指定維持改善」にむけたとりくみと成果 
前回、「へき地級地指定見直し」が行われた02年度は、へき地級地維持改善を下伊那支部の重要課題としてとりくみ、大きな成果をあげることができました。山間地問題対策委員会*25では、山間地訪問や現地調査に来た県教育委員会と懇談会をもち、実情を直接に訴え、級地の維持・改善を要望しました。その結果、富草小学校・清内路小学校・清内路中学校・清内路給食センターが「特別の地域に所在する学校」から「へき地学校に準ずる学校」に改善されました。
(2) 09年「へき地校指定」にむけたとりくみ
今回の「へき地級地指定見直し」へ向けて、下伊那支部では昨年度から数多くのとりくみをすすめてきました。
07年7月9日には、山間地問題対策委員会と下伊那支部で天龍村への山間地訪問を実施しました。天龍村単組職員との懇談会では「へき地としての生活実態には、何ら他の1級地との違いがないのに、平岡駅があると言うだけで、へき地級地指定を受けられず、そこに勤務するものとしては不公平感はぬぐえない」という生の声が出されました。
07年9月27日には、下伊那教育七団体として、天龍村単組職員からの声を生かしながら「へき地級地指定校及び小規模校の学習環境の維持・充実をはかり、どの子も質の高い教育を受けられるような条件整備を行うこと」を最重要項目として県に要望しました。
07年12月7日には、下伊那支部四役が文部科学省を訪れ、へき地級地指定改善へ向けての要請を行いました。3,417筆の署名を届けるとともに、写真や資料を使い、下伊那の実情とへき地級地指定維持改善等を強く訴えました。下伊那支部という一支部が、直接文部科学省へ要請に出向くことは他に類を見ない、大変画期的なとりくみでした。
08年3月26日には、県教組より楯賃対部長を講師に迎え、下伊那支部四役、執行委員が参加して「2008へき地級地指定に向けての学習会」を行いました。楯賃対部長からの最新の情勢説明、02年「へき地級地見直し」の資料を使い、へき地級地を決めるための点数計算方法の学習、今後のとりくみについてさまざまな意見交換を行いました。
  今後のとりくみとしては、
① 下伊那教育七団体陳情において、昨年度に引き続き、へき地級地指定に関わる要望を最重要項目にして行います。
② 山間地問題対策委員会の委員数を増やして、新しい指定基準において、現在の級地の維持・改善につながる具体的な提案を探っていきます。
③ へき地校がある下伊那の市町村議会で、単組を通じての県教委への請願・陳情を採択していただくようにはたらきかけて行きます。
④ 下伊那支部の組合員はもちろん、長頭組やへき地校のPTA会長にも協力を依頼して、へき地級地指定の維持・改善の署名運動を行います。
⑤ 県教委が市町村教育委員会を通じて行う「へき地学校現状調査」に対して、07年度の県教組単独交渉での口頭メモを踏まえて「十分な現地調査を実施」することを県教組から県教委へ申し入れてもらうように要請します。
以上のようなとりくみを中心に、下伊那支部の悲願である天龍小学校・中学校のへき地級地指定など、へき地級地指定の維持・改善に向けて全力でとりくんでいきます。