定期大会議案書の要点

2 教採対策講座 
07年度の長野県教員採用試験では、一般選考・社会選考あわせて、1,806名が受験しました。一次試験を通過して、二次試験を受験したのは710名でした。そのうち、合格して採用候補となったのは320名でした。
しかし、長野県教育委員会の08年度の公立学校教員採用者数は、小学校、中学校、特別支援学校で195名でした。これは、昨年度の採用数のおよそ半分で、全国でも突出した減少数です。不安定な身分のまま講師を多く配置し、学校運営などにも影響を及ぼすようなことは問題です。また、毎年採用試験を受けながら講師を勤められている方に大きな失望を与えるものです。下伊那支部では、県教組と連携し、適切な教員数を採用すること、長期にわたる臨時的任用職員の経験がさらに尊重されるように検討することなどを県教育委員会に求めていきます。
下伊那支部では教員採用試験の対策として、「教員採用試験一次対策講座」と「教員採用試験二次対策講座」を実施してきています。昨年度6月に行われた教員採用試験一次対策講座には29名の参加者があり、集団面接を中心に情報交換を行いました。面接は“多くの練習を積み重ねること”と“受講者一人ひとりへのフォローを行うこと”に重点を置き、教員採用試験と同様の環境づくりを行いました。試験官役は組合の先輩の先生や下伊那支部執行委員が務め、教員採用試験に関する具体的な話し合いができ、充実した会になりました。
また、長野県の教育の情勢や過去の試験問題に加え、新規採用者の先生方から面接試験や小論文・実技の問題についての情報やアドバイスをいただき、「教員採用試験・こぼれ話集」を作成し、参加者はもちろん、希望する方にも配布することができました。
8月に行われた教員採用試験二次対策講座には12名の参加者があり、個人面接や体育実技講習、音楽実技講習を行いました。個人面接の試験官は組合の先輩の先生や下伊那支部執行委員が務め、二次試験に準じた面接を行い、受験者一人ひとりに対して面接での具体的なポイントとなることや、アドバイスをおくることができました。体育実技講習では基本動作の確認と練習、音楽実技講習では指揮法やピアノ演奏についての実技講習を行いました。
教員採用試験対策講座の参加者12名のうち8名がこの春新規採用されました。下伊那支部の教員採用試験対策講座参加者の新規採用率は過去の実績からみると県の平均を上回る傾向が強く、受講者からは「他支部へ行っても組合に入ります。」「来年も是非対策講座を開いて欲しい。」という言葉が多々寄せられています。
採用後の組合加入につながる大切な活動として、臨採の先生方への支援の一環で、今後も幅広くよびかけて計画的に行っていきたいと思います。現在、上伊那支部・諏訪支部の青年部とも連携をして、他支部での教員採用試験対策講座への参加や情報交換を進めているところです。本年度は6月14日(日)に一次対策講座を、8月16日(土)に二次対策講座を行う予定です。

定期大会議案書の要点

(9) 介護休暇・介護欠勤制度
少子化、高齢化がすすみ、肉親の介護は誰もが直面する切実な問題です。そうした私たちの不安を少しでも和らげ、仕事と介護の両立を支援しようという「介護休暇法」が99年4月に施行されました。長野県では、介護休暇だけで6ヶ月、介護欠勤とあわせて9ヶ月とれることになり、大きく前進しました。また、介護休暇の時間取得は始業時または終業時に続く4時間以内での取得でしたが、さらに勤務時間の中途での取得が可能になりました。始業・終業にこだわらずに必要な時間帯に、1日4時間以内の介護休暇の時間取得ができます。さらに介護休暇の対象者が同居を条件に配偶者の祖父母兄弟姉妹にまで拡大されました。みなさんのご協力により、多くの声を県に届けた結果、介護の対象者が拡大され、さらに勤務の途中で取得できるようになっています。一歩一歩改善されてきているので、介護する方にとって取得しやすい制度となるよう今後も粘り強い運動を続けていきます。
07年度、介護についてのアンケートを実施した結果では、5月の段階で介護を必要とする家族のいる教職員は、42名(男性18名、女性24名)でした。男性、女性とも介護を必要とする家族を抱えている方がおり、その数は明らかに増加しており、今後その傾向がさらに深まると考えられます。
アンケートによると、実際に介護休暇・欠勤を行使している人は、1名でした。介護休暇を取っている先生からは「親の看護ができてありがたい」「母と毎日いられるので、娘の私に心を開いてくれている。」という声が聞かれました。行使しない理由としては、「他に介護する人がいる」が主な理由でしたが、「手続きがわかりにくい」「介護は期限が決まっているものではないので、実際にはとりにくい」「実際には仕事が回らない、職場に迷惑をかけてしまうのでとりにくい」などの声が寄せられています。支部の定期大会のアンケートや発言からも、「代替者がいなくて不安」や「職場が忙しすぎて介護休暇が取りづらい」などの意見が出されました。そんな職場の皆さんの声を受けて、県教委との交渉で「代替者の確保」を訴えてきました。
また、昨年度は、介護についてのアンケートをもとに、介護・母性保障等専門委員6名で、「介護のしおり」を新たに作成し、介護に関わる権利や情報を提供させていだきました。しおりには、「キャラクター(快悟くんとQ子さん)」を登場させ、わかりやすい言葉で表現し、できるだけ皆さんに身近に感じていただける冊子になるように工夫をしました。「介護のしおり」は、職場に1冊配布されていますので、ぜひ職場での学習に活用していただき、介護に対する知識と理解を高め、介護休暇を行使しやすい職場作りをしていくことが大切です。
11月の飯伊共育フォーラムでは、「どうする!?介護~大切な家族を介護するために知っておきたいことがある~」という分科会を設け、長野県教組女性部長蟹沢恵子先生を講師として迎え、介護をするとなったときに直面する問題や介護の現状について学習しました。参加したみなさんからは、「介護にあたって今ある権利の内容だけでなく、今の自分だったら『時差出勤制度』を使わせてもらえるのではないかということがわかった」「自分だけでなく、多くの先生方にもこういう制度があることを知ってもらえれば」との声をいただきました。職場の多くの人がこの制度を知り、支え合う雰囲気を作ることも大切です。

(3) 3才未満児・長時間保育・学童保育
  07年6月に、中学生以下の子どもをもつ教職員を対象とし、保育問題アンケートを実施しました。 育児休暇の延長により、未満児保育を利用する教職員は少なくなっていますが、回答者の約4分の1は長時間保育を、また5分の1は児童館・学童保育を利用しており、子育てをする教職員にとって、保育・学童保育の問題は身近なものであると言えます。
 アンケートの結果、「近くの保育園でも長時間保育・未満児保育をしてほしい」「育休中に第2子ができた場合、上の子は保育園と幼稚園を転々としなければならない。近くに幼稚園もない。改善してほしい」「保育料の見直しをしてほしい」「保育園の職員(特に正規)、児童館の指導員増員をしてほしい」「児童館の定員や数を増やしてほしい」「学童保育の時間を延長してほしい」といった要望が多いことが分かりました。
 06年度、保護者が産育休に入った場合、保護者が育児可能であるという制度上の理由で、それまで通園していた上の子が、保育園を退園せざるを得なくなるという問題がありました。慣れ親しんだ友だち、先生や施設と別れ、転園することは、集団生活に慣れていく時期にあたる幼児にとっては、大変心配される事態です。また、市立保育園の民営化、統合に伴う規模拡大によって長時間保育や未満児保育が可能となることは、保護者の願いがかなう反面、通園にかかる時間が増大するなど新たな問題も指摘されています。
今年1月、飯田市子育て支援課との懇談会において「育休中にある職員の、長子転園勧告問題」「市立保育園の民営化」等について、質問をしました。「転園勧告問題」について、飯田市では、「保育に欠ける期間を、国の規準(産前3ヶ月産後3ヶ月)に対して飯田市では産後1年までと、大きく踏み込んで運用していること」「入所待ちの保護者からの『教職員・公務員は、育休3年まで認められていて家庭でお子さんをみることができるのに、自分たちは働きたくても子どもを預ける保育所がない。』という意見、不公平感からの苦情があること」「市の財政的な苦しさ」等により、飯田市の苦しい状況も理解していただき、「保育所入所については、先を見通して選択して頂いたり計画して頂いたりしてご協力いただきたい」とのことでした。ただ、現在の0歳児は1,000人の大台を割り込むようになり、いずれ保育園にも大幅な空きが出ることが予想されるそうです。情勢をつかみ、今後の動向を見守る必要がありそうです。
 「保育料の見直しを」という要望が出ていますが、19年度、飯田市では約1億円の投入をし、保育料については約3割という大幅な値下げをしました。このことで、今までに比べ保育園に預けやすくなったと言えそうです。「長時間保育・未満児保育」については、「財政的な問題で、小さい保育園では難しい。千代保育園のように、民営化(民営化すると国から補助が出される)によりかかる経費は増やさなくてもサービスは充実できるようにと考えている。」とのことでした。
 「民営化」については、「飯田市も、財政難と保護者のニーズとの板ばさみのなかで、民営化を目指していかなければならず、保育所入所者数の変動もみながら市民の理解と協力を得、いろいろ研究模索をしてすすめていきたい」とのことです。現在、施設が古く過密状態の松尾保育園について建て替えを考えており、公立だと予算的に厳しいため民営化の方向を考えているとのことでした。今後、民営化や統合がどのようにすすんでいくのかを注意深く見守るなかで、問題点を明らかにして、保育問題が悪化しないように努力する必要があります。
  保育問題対策委員会では、昨年も「子育ての集い」を開催しました。3年間育休をとって復帰された先生に、育休中の過ごし方や、復帰後の生活について具体的にお話をいただき、参加者から「復帰にむけての心構えを作るのに参考になった」と大好評でした。また、グループに分かれての意見交換では、「同じ教職の皆さんと話せて嬉しかった」「制度について教えていただいてよかった」「復帰に向けて励みになった」との感想をいただき、育休中の不安や悩みなどをお互いに話し合い、気分をリフレッシュする良い機会となりました。
保育問題対策委員会では、昨年度も保育園・保育所一覧表と放課後児童クラブの一覧表を作成し、下伊那支部ホームページに掲載するとともに、下伊那支部女性部情報誌「てだのふぁ」に載せて各職場へ配布しました。本年度も「介護・保育問題対策委員会」や単組を中心に、保育園の民営化や統廃合、児童クラブの開設状況などについての情報収集を続けながら、保育・学童保育を充実していくためのとりくみや、安心してはたらき続けることができる環境づくりをめざして、必要な要望を出していきたいと考えています。

定期大会議案書の要点

1 組合加入促進
下伊那支部では、4月14日現在、組合加入者967名で、組織率は88%になっています。この高い組織率は長年にわたって保ってきた数字であり、組合活動をすすめるための大きな力となっています。これは、職場長や評議員を中心とした各職場での勧誘やフレッシャーズ歓迎会などの行事の成果であり、昨年度も新採者の33名中31名が加入しました。また、組合加入促進月間の取り組みでは、年度途中にもかかわらず5名の加入がありました。
しかし、正規教職員数が減ったことや未加入者が漸増したことで、02年から県教組下伊那支部が長年維持してきた組合員数1,000名を割るという状態が続いています。本年度は何としても組合員数を増やし組織率がアップするよう運動をすすめてまいります。
仲間を少しでも増やし、組織率を上げるために、臨採者との懇談会を開催して臨採者や再任用者の声をひろい上げ、待遇改善にとりくみながら加入をよびかけたり、育休者の組合離れに歯止めをかけたりすることも考えていきます。
同じ教育現場に働く者同士、互いの負担を少しでも軽減し、より働きやすい環境を整備するために、各職場で未加入者へのはたらきかけをお願いします。 現在の私たちの身分や権利などは、先輩組合員が苦労を重ねながらかちとってきたものです。その成果の一つ一つを今後も守り抜き、さらに拡大していくためにも、強力に加入促進をすすめ、組織力を高めていかなくてはなりません。
昨年度も組合の交渉によって9年ぶりの賃金改善を実現するなど多くの成果を上げています。「仲間としてまとまる」こと、「お互いの力を結集する」こと、そして「職場や支部が変わっても組合員であり続けること」を大切にし、臨採者や再任用者とともに今後のとりくみをすすめていきましょう。
組織部のとりくみとしては、私たち組合員同士のつながりをより深め仲間を増やしていくため、ソフトボール大会やフレッシャーズ歓迎会を開催します。ソフトボール大会では、交流の輪を広げるように、参加チームが必ず2試合はできるようにしたり、フレッシャーズ歓迎会では参加範囲を広めたりするなど、工夫をしていきます。また、青年部とともに協力して教員採用試験対策講座を開いたり、臨採者との懇談会も積極的に行い、さまざまな声をお聞きしていきたいと考えています。本年度は、支部ホームページをリニューアルし、支部の活動を迅速に発信していきます。

2007年度の主な成果
〈賃金・手当改善〉
◇県人勧・「完全実施」により9年ぶりの賃金改善(12月には差額支給も)
・若年層の給料月額改善
 ・勤勉手当の0.05月引き上げ
・07年4月に遡って地域手当を1.3%に引き上 げ(08年4月からは1.5%に)
・子等に係る扶養手当の引き上げ
  (6,000円→6,500円)
◇育休復帰職員は復帰時に昇級延伸の完全復元
(07年8月1日より)
☆教職員の査定昇給に差別と分断を持ち込ませず・昨年同様「緊急避難的措置」での対応を確認
☆旅費支給の原則実費制について確認事項を一層徹底

〈労働条件・待遇改善〉
☆「長時間勤務による健康障害防止のための医師による面接指導」が適切に実施されるよう周知徹底
◇子の看護休暇を年6日間に拡大(中学校入学前の子を2人以上養育する職員)
☆療休・休職及び体育代替等に係わる速やかな代替措置ができるよう努力
☆夏季特別休暇(5日)が半日でも取得可能に
☆講師(臨時的任用教員)の中断期間の短縮
 (10日間から7日間に)

〈教育条件改善〉
☆特別支援教育の充実(県基準の見直しを含め、重点項目を設けるなど、さらに改善努力をする)
☆養護教諭、栄養職員の複数配置の拡大を確約
☆障害児学級開設の一層弾力的な運用につい
て引き続き努力
☆進級時に児童数が35人以下となっても「翌年 の学級数維持」を確認
○30人規模学級実現のため市町村による任意協 力金を県が負担
(☆県教組独自 ◇地公労 ○その他)

〈子どもたちのために〉
◎高校募集定員(40名)1学級増
◎校長裁量11名の合格者
(◎下伊那教育七団体)

定期大会議案書の要点

1 賃金・諸手当の引き上げ
(1) 春闘の現状と実感なき景気拡大
02年から続く景気拡大は6年にもおよび、一部の企業では史上最高益を更新するところもあります。政府は「戦後最長の景気拡大」であるといっています。しかし、最近では食料品やガソリン・灯油等の燃料費や生活必需品の値上がり、4月からは公共料金も値上がり、多くの労働者にとっては好景気という実感はありません。
大企業はコスト削減をめざして、人減らしや賃下げ、パート・派遣・請負など非正規雇用への置き換えをすすめています。その結果、07年8月には、雇用者の30%以上(1,731万人)が非正規雇用者となっています。労働者の平均賃金は9年連続で下がり続け、00年と06年を比較すると、年収200万円未満の低賃金層が200万人近くも増えています。
こうした情勢の中で08年春闘では、賃金の底上げと格差是正に結びつく賃金改善、非正規労働者の処遇改善や正社員化、労働時間の短縮などを目標に掲げました。低迷する個人消費の起爆剤にと福田首相からも産業界に異例の要請があり、賃上げ水準が焦点となり、労組側は前年水準を上回る賃上げを目指しましたが、大半は前年横ばいの水準に留まっています。
春闘の相場形成に大きな影響力をもつ自動車、電機、鉄鋼などの主要労働組合に対し、経営側の回答では、大半が3年連続の賃上げとなっています。しかし、急激な円高や原燃料価格の高騰から、賃上げ幅は前年並みの水準に留まりました。2,000円の統一要求をおこなった電機大手の回答は、前年と同じ1,000円で横並びとなっています。鉄鋼大手では、新日本製鉄やJFEスチールなどが2年分で1,500円(産別試算)と前回実績を上回る水準を確保しました。
自動車では、春闘相場をリードするトヨタ自動車が組合要求の1,500円に届かず、前年実績と同じ1,000円で回答しています。しかし、日産自動車は、定期昇給と賃上げを含めた賃金改定原資で前年実績(6,700円)を上回る7,000円の満額回答となり、ホンダは逆に前年を100円下回る800円で決着しています。
一時金では、トヨタが253万円と満額回答したほか、三菱電機など業績を反映して前年を上回る回答もありました。また、住友金属工業は前年と同様に一時金(年間226万円)に加え、「ライフプラン支援一時金」を1人平均20万円支給することで、労組側要求(年間240万円)を実質的に上回る回答となりました。
連合は春闘の妥結結果を公表し、賃金改善は6,401円(定期昇給分込み)となり、前年より259円のプラスだったとしています。高木剛会長は「労働分配率の反転、内需拡大に十分とは言い難いが、厳しい状況の中、昨年を超えることはできた。続く中小、パートなどの交渉につなげたい」と述べました。金属労協の集中回答では1,000円(定昇分除く)前後の賃金改善で前年並みでしたが、内需産業も含めた全体では前年を上回りました。業種別では製造業が前年を89円下回ったものの、商業・流通や交通運輸では昨年を500~1,000円上回り、内需産業を中心とした組合では賃金改善額が1,182円(定期昇給分除く)で、前年より142円プラスとなっています。パートの組合は、昨年を2.6円上回る22.4円(要求25円)でした。
今春闘では、昨年並みまたは多少上回る結果となりましたが、好調な企業業績が労働者へ還元されているとは言い難く、その伸びも抑えられている傾向にあり、業種によってもばらつきが見られます。また、“賃上げ”といいながら、全社員の基本給を一律に底上げするベースアップ(ベア)に代わって、賃上げ原資を育児支援など特定分野に回す動きが電機業界を中心に広がりはじめています。経営側は人件費の伸びを抑えられますが、賃上げの恩恵が全社員に行き渡らない恐れもあります。
県内でも06年9月中間決算で増益となった企業が多く、業績上では景気拡大が続いています。しかし一方で、02年以降、県内の平均賃金は目立って伸びておらず、個人消費の現場も「回復を実感できない」との受け止めが目立ちます。職業安定所別求人倍率は、大町、飯田で微増傾向ではありますが、他地域では前年を下回っており厳しい状況となっています。有効求人倍率など雇用面でも地域間格差が出ており、中小企業や労働者にとっては、「実感なき『最長景気』」の様相になっています。

定期大会議案書の要点

(2) 栄養教諭制度について
文部科学省は、学校給食の主要目的を、「栄養改善」から「食育」に転換する学校給食法の改正案を近く国会に提出する見込みです。当初、学校給食は戦後の食糧難を背景に不足しがちな栄養を給食で補うことを主目的としていましたが、食糧事情が改善された上、子どもの食生活の乱れが指摘され05年に「食育基本法」も成立し、学校給食法も実態に合った内容にする必要があると判断したものであると見られます。改正のポイントは
①学校給食の主な目的を、「栄養改善」から「食育」とする。
②地元の食材を活用し、生産現場での体験などを通じて郷土への愛着を育てる。
③食育を推進する栄養職員の役割を条文に盛り込み明確にする。
④子どもに必要な栄養の量やバランスを示す。
⑤食中毒防止策など衛生管理の基準を規定し、徹底させる。
   となっています。
その中で、食育推進の中心となる栄養教諭の役割も条文として明記されています。
 ①栄養管理
 ②食育に関する学校全体の計画作
 ③一般教員への指導
 ④地域や家庭などとの連携 などを担うと規定されます。
長野県でも07年4月から栄養教諭の配置がこなわれるようになり、07年度が5名、08年度には20名(飯田下伊那地区3名)の栄養教諭が配置されました。
 07年1月の県教委との交渉の際、
 ①栄養教諭の勤務条件等について問題が生じた場合は、組合と誠意をもって話し   合う。
②栄養教諭導入について、年度中にその意義など制度について周知する。
③任用にあたっては、本人の意に反した任用はおこなわない。
④教職員として採用された者は、栄養職員の職に戻ることはない。
⑤平成20年度以降の任用・配置については、さらに組合と話し合う。
⑥早急に県として食育に関する推進計画を策定するよう県教委としても努力する。
⑦栄養教諭の過重負担をなくすよう条件整備に努力する。
⑧有効な研修が実施されるよう、組合と話し合う。
という8つの確認がなされています。その一方で、性急すぎる栄養教諭の配置提案であることから、現場でともに働く多くの一般職員がその存在を知らなかったり、勤務条件等に関する疑問点が指摘されたりしています。実際、県教委から各校に配布された「小・中学校における食育推進ガイド」には、「指導の全体計画」や「学年別年間指導計画」の作成例が載せられています。将来的に作成例のような細部にわたる計画作成が求められるとすれば、栄養教諭への負担増は多大なものになるのではないかと危惧されます。下伊那支部としては「栄養教諭制度」に関する正確な情報を入手し、広く組合員に伝えるとともに制度導入の趣旨が活かされ、栄養教諭の過重な負担とならないよう注視していきます。
(3) 学校給食の充実と安全確保
昨年度、中国の工場で製造輸入された冷凍餃子を食べ、3家族計10人が中毒症状を起こす事件が発生しました。学校現場で、健康被害を訴えた児童や生徒はいませんでしたが、全国では32都道府県の601校の小中学校が、県内でも4つの学校施設が、この食品会社製造の冷凍食品を使用していたことが分かっています。文部科学省は、安全が確認されるまで引き続き同社製品の使用を控えるよう各都道府県教育委員会に要請を出しました。しかし、一方で、国の食糧自給率が40%を切り、多くの食料を外国に頼らなくてはならないという現状の中、質を維持しながら、給食費を安価に押さえなくてはならないという課題もあります。
また、07年3月に根羽村、10月に天龍村、さらに08年2月には平谷村において、賞味期限切れの給食用食材が納入されていたことが、07年度末に明らかになりました。いずれも納入された段階で給食センターの職員が気づき、最終的に給食としては使われずにすみましたが、あってはならない事態です。食材を提供する側にある県学校給食会は、「近く支部長会議を開き、再発防止の対応を協議する」と話しているので、今後の対応を注視していく必要があります。食の安全、特に子どもたちが毎日口にする給食の安全確保に対しては、細心の注意を払っていかなくてはなりません。
近年、「地域食材の日」を年に複数回設定し「地産地消」の取り組みが県教組下伊那支部内の多くの学校で行われるようになり、子どもたちの食・人・地域に対する関心を高めるとともに、学校給食の充実という点で大きな役割を果たしています。さらに、食材の産地や遺伝子組替食品に対応するための検査項目が細分化されたり、食材や調理に関する衛生管理の強化がなされたりして、調理場の運営自体が煩雑になってきています。その中で食物アレルギーをもった子どもたちに対して、アレルギー対応食(除去食・代替食)をつくるといったより個別でこまやかな対応も求められるようになってきています。栄養職員や調理員の過重化を認識するとともに、次代を担う子どもたちの健康の基となる「食」を守るためのとりくみが求められます。
子どもたちの側に立った学校給食の一層充実をはかるために、
①学校教育の一環としての給食であること
②給食の質を低下させないこと
③教室とセンターや調理場とのパイプを一層強めること
を目標にして、栄養職員・調理員やより多くの保護者・地域住民の意向をもとに、地教委に申し入れをしていく必要があります。

定期大会議案書の要点

5 新学習指導要領をめぐって
08年2月、新学習指導要領の改訂案が発表され、続いて3月告示となりました。最近の学力低下批判を受けて「ゆとり教育」路線が転換し、授業時間数は約40年ぶりに増加(主要教科全体の時間数で約1割増加)されました。そして現行学習指導要領で削除された学習内容の復活や指導項目の増加、小学校高学年で週1時間の外国語活動を必須としています。また、道徳の教科化は見送られたものの、今まで以上に重視される方向は色濃く打ち出され、全教科を通じた道徳教育の実践や、「道徳教育推進教師」を各校に配置することなどが明記されています。さらに各教科で「言語活動」や「伝統・文化の指導」が重視されるといった内容となっています。また2月の公表の時点では示されていなかったいわゆる「愛国心」にかかわる内容(例えば「君が代」が歌えるように指導する。我が国の安全と防衛及び国際貢献について考えさせる。等)が3月の告示の時点で突然示されるといった異例の告示方法であり、その点でも疑問を抱かせる新学習指導要領となりました。
学習内容や授業時間が増える今回の改定案に対しておこなわれた全国世論調査(朝日新聞社)では、年代を問わず「全体の82%の人が賛成」という回答結果が得られています。また今回の改定案で「教える幅が広がる」と歓迎する現場教職員の声もあり、学力低下への懸念を背景に学習内容の充実が求められている現実があります。
しかし、その一方で授業時間や学習内容を増加したことで学力低下批判に対応したといいつつ、これまで通り「生きる力の育成」は重要であるとしたり、教育基本法の改正にあわせて「日本の古典や伝統文化、武道、唱歌」を取り入れたり、全教育活動を通して「道徳教育を強化」したりといった改訂は、それぞれの立場からの願いをあれもこれもと取り入れた内容とも受け取れます。そのことで教育の現場に大きな不安や混乱をきたすことも予想されます。保護者の中には、子どもたちの学習にきめ細かな目が届かなくなるのではないか、できる子とできない子の差はさらに広がり新たな問題を生むのではないかといった心配をする人もいます。
 来年度から移行措置期間に入り、算数・数学・理科や社会の一部・道徳はそのまま前倒し実施も予定されています。授業時間や学習内容の増加は、今でも多忙な毎日を送る現場の教師の負担が、ますます増えることにもなりかねません。新しい学習指導要領で示されたことを現場で実践していくためには、一人ひとりの子どもに教師の目が行き届き、教材研究の時間が十分確保できるといった環境が必要です。実際中央教育審議会の答申でも「教員定数の改善が必要」と教育条件整備についての提言もありました。しかし本年度の教員増は全国で約1200人にとどまっています。このことに限らず学習指導要領の改訂にあわせた現場の教育条件整備が進んでいるかと言えば、むしろ逆行しているとも思える情勢もあります。教育予算がふえたり、教師がふえたり、あるいは学習・研修の場が保障されて教師の力量の向上が支えられたりといった改革等について広く要望していく必要があります。

定期大会議案書の要点

議案書の読みどころ。以下は今年度大きく情勢の変わった点です。
2 高校改革プラン実施計画
(1) 魅力ある高校をめざして
長野県では、「(1)多様化する生徒の希望に応えることができる、魅力ある高等学校づくり (2)生徒数の減少や4通学区制の実施等に対応した高等学校の適正な規模および配置」について検討することを目的として、04年1月に高等学校改革プラン検討委員会が立ちあがり、05年3月に最終報告が出されました。この中で今後の高校総数を示すための基準は、1学年5から6学級規模として高校再編計画の総数が算定され、県内の公立学校数は76校が目安となることがうたわれています。
この最終報告書にもとづき、高校改革を推進するための審議機関として、05年には県内4ブロックごとに高等学校改革プラン推進委員会が設置され、より具体的な再編計画が議論されました。そしてその報告を受け、06年3月、県教委から実施計画が策定されました。その後、高等学校設置条例の改正に従い、県議会において9件の高校統合議案のうち、3件が同意、6件が不同意となり、飯田市下伊那地区が含まれる第3通学区では、岡谷東高校と岡谷南高校の統合(全日制・単位制普通科)、箕輪工業高校と上伊那農業高校定時制の統合(多部制・単位制普通科)、そして飯田工業高校と飯田長姫高校の統合(全日制工業科・商業科、定時制普通科)の3件が凍結されました。その後、数々の議論を経て、箕輪工業高校と上伊那農業高校定時制は、新たに箕輪進修高校として今春スタートしました。
飯田工業高校と飯田長姫高校の統合計画については、07年10月、南信州広域連合*2 が統合受け入れを合意し、県教委に対し、「ものづくりの拠点校」として位置付けるとともに、モデルケースとして施設整備等を充実させることを求めていく、としました。そして08年2月、南信州広域連合は、高校改革検討小委員会を発足させ、新たなものづくり拠点校としてのあり方や、モデルケースの意義、具体的な高校像などについて検討し、07年末に発足した県教委のプロジェクトチームに対して、地域独自の視点を示すことができるように議論を重ねています。
現在では統合に向けて、6月に県教委より示される「再編計画の骨子」を待つ状況にありますが、再編基準である「全校生徒が120人以下」か、「全校生徒が160人以下で卒業者の半数以上が当該高校へ入学している中学校がない」状態が2年連続する場合は、地域キャンパス化や他校との統合、募集停止検討の対象となる、ということについても注視していかなければなりません。
統合が実施された箕輪進修高校では、新校舎の完成や施設の整備が新学期には間に合わず、8月に延びてしまうといった問題も起きています。私たちは、高校進学に関して、地理的条件に恵まれないため選択幅が狭いという飯田下伊那地域のおかれている厳しい現状を自覚し、その解決方法について真剣に考えなければなりません。そのためには、地域の保護者や各種教育団体と十分に連携し、下伊那教育七団体を中核に、魅力ある高校づくりの推進を積極的に要望していく必要があります。はじめに財政ありきの高校改革では、誰のための改革であるのかわかりません。子どもたちがいきいきと高校での教育に打ち込めるための、真に魅力ある高校づくりを求めていく必要があります。

3 教員配当・予算
(1) 教員配当
04年度より始まった「こどもほっとサポート推進事業」は、昨年度9月で打ち切られ、かわりに「特別支援教育支援員」の制度が始まりました。飯田下伊那では36校に配置され、発達障害のある児童生徒や外国籍児童生徒の介助、支援を行っています。例えば、飯田東中では、設置できなかった「難聴学級」の代わりに特別支援教育支援員が配置され、難聴の生徒の支援にあたっています。また、06年度より、中学校1年生で不登校が急増するいわゆる「中1ギャップ」に早めに対応できるようにと、中学校への学習習慣形成支援として非常勤職員「中1サポーター」の配置が始まりました。飯田下伊那では5校に配置されています。
07年度の特別支援教育支援員の配置率は、08年2月の文部科学省調査によると、全国平均69パーセントに対し長野県は57パーセントと、大きく下回っている状況にあります。このことも踏まえながら、各校の実態に応じて、山間地校や特別支援学校・学級への加配、本来の学校業務に加えさまざまな心の悩みをもつ子どもに対応するための養護教諭の複数配置、スクールカウンセラーのより多くの配置、小学校における専科教員の加配と生徒指導教員の配置、中学校における生徒指導教員の配置や非免許解消のための複数校配置の改善、外国籍生徒への指導者配置など、現場の実状に合った教員の配置・配当にむけて、県に現場の声を届けながら粘り強い運動をすすめていく必要があります。
「信州こまやか教育プラン」については、07年11月、08年度から市町村教育委員会の裁量を広げる方向で見直しがなされ、名称も「活用方法選択型教員配置事業」となり、各学校の実情に応じて柔軟に対応することが可能になりました。しかし、予算的には約3億円の削減、国語の少人数学習は廃止となるなど、制度自体は縮小傾向であると言えます。この新制度が、各校の現場の実態に見合った内容となるかどうか、注視していく必要があります。
また、05年度小学校4年生まで拡大された30人規模学級編制を、全ての学年・学級へ拡大していくとりくみがあります。財政状況の厳しい折ですが、小学校だけでなく中学3年生まで全ての学年において県の責任で30人規模学級が拡大できるように、下伊那教育七団体や県教組とともに運動を展開していくことが必要です。また、それに伴う教室不足など施設面での充実についても、とりくんでいく必要があります。
このほか、飯田下伊那地区では、07年度には市町村費により30校に図書館職員が配当されています。しかし現状では、31校では学級担任が、9小学校では専科教員が司書を兼ねています。本年度も学校図書館の充実をはかるため、より多くの学校に図書館職員が配当されるようにとりくむ必要があります。また、97年の学校図書館法の改正により、専任司書教諭制度に道が開かれました。03年度より、司書教諭の完全配置が行われています。学校図書館の果たすべき役割はますます重要になってきており、学校図書館を支える職員とその活用を推進する専任司書教諭の協力が必要になってきています。司書教諭完全配置で、現在学校図書館を支えている職員が削減されないように注意深く見守っていく必要があります。
小中学校に通う児童・生徒たちの多様化にともない教育現場は複雑化しており、教職員の負担も増加しています。これら個々のケースに適切に対応することができる教職員の配置を、県教委・地教委に積極的に求めていく活動が必要となってきています。

退職組合員感謝慰労の会がありました。

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5日は永年にわたり組合員として活動いただいたお二人の先生方にご出席いただいて、退職組合員感謝慰労の会が行われました。お二人の先生方のお話では、貴重な体験談も交えて「平和教育を大切にしていく組合活動であったほしい」や「仲間を守る組合活動であってほしい」という趣旨のお話がありました。いつまでも変わらぬこれからの活動の礎となることとして聞かせていただきました。お二人の先生方いろいろご指導いただきありがとうございました。

評議員の皆様へ 第1回評議員会(4月8日)のお知らせ

4月8日(火)は、第1回評議員会です。午後5時30分開始予定です。
その際の提出物は以下のものですので、持参していただき、受付で提出してください。
①組合員名簿( FDとプリントアウトした名簿【B4横】を提出)
②年間行事計画表[各校1部提出]
③春風(年配者)の会会員名簿
④特別支援学級に関わる調査