県教組独自要求確定交渉が行われました。

  17日には13:30~県議会棟404・405で県教組独自要求確定交渉が行われました。県側からは山口教育長、平澤次長、原次長以下の皆さん、県教組からは本部執行部の他、各支部から多数の交渉団が参加しました。下伊那支部からも10名が参加しました。
no154.JPG
以下主な交渉経過です。「」は県側の回答部分です。
13:30 交渉開始
執行委員長、教育長のあいさつ

・基本賃金は生計費を重視し、大幅に引き上げるように人事院・人事委員会に強力に働きかけること。義務特手当も減らされて、教員だけが給与引き下げになっている
・給料表における最高号俸者の在職実態を考慮し、号俸の増設を行うこと。現在も100名以上が到達している。1月からはさらに増える予定である。昇任・昇格の機会も極めて少ない。
・経験年数による、さらなる号俸数の上乗せをすること。
・初任給を大幅に引き上げること。また、それに伴う在職者調整を行うこと。長野県(2-13)が低いのに対して、近県(2-16、2-17)では高い。人材流出が心配である。4号俸で7000円の違い。地域手当の違いも大きい。2万~3万違うのではないか。
格差を埋めてほしい。
「大変な状況にあることについては認識している」
来年度に向けて課題意識を持ってほしい。


・臨時的任用職員・育休任期付職員の給料の上位制限の撤廃・引き上げにより待遇改善をはかること。当面、高校との格差をなくすこと。
現場の声 臨任は昇給停止があり給料が安くて、結婚も躊躇してしまう。仕事量も変わらないのに不公平。子どもたちにとっては我が先生。長い期間の講師も多い。非常勤職員は月10万程度で生活もできない。
・非常勤職員の賃金・交通費を改善すること。通勤手当に対する補助が少ない、あるいは全くない職種もあるので改善してほしい。
「臨任の皆さんのお力で学校が成り立っていることは認識している。交通費を上げるのは県の財政状況もあり厳しい」
「誠意を持って対応していきたい」


・学校事務局員・学校栄養職員・現業職員の賃金については教員賃金との均衡を考慮して改善をはかること。最高号俸到達者がたくさんいる。昇任発令の早期実施をしてほしい。
・昇任発令基準を明確にするとともに、昇任発令年齢を引き下げること。
現場の声 43歳の2級格付けでは教員と7万近い違いがある。号俸加算をしてもらいたい。長い期間の臨任を経ているため43歳になっても格付けにならない者もいる。
「大変厳しい中だが、私どもとしても一定の努力をしている。今後とも努力していきたい。」


・新しい人事評価制度導入については、職員の納得が得られる制度となるよう組合と十分話し合ってすすめること。
「地公労で導入が確定したが、教職員については今後十分相談しながらどういう制度がよいのか考えていきたい。」


へき地学校勤務者の勤務・生活実態の把握に努め、諸手当等の改善をはかること。
義務特手当は勤務の実態を反映しない中で行われた。文科省の予算措置に合わせて削減された。調整額・手当の削減は国庫負担、地方税交付で国から入ってくるはず。義務特交渉の回答もあるので、従前の率まで戻していただきたい。調整額は半額、へき地手当は8分の1になっている。
平日の部活動手当についても課題意識をもっている。
no17.jpg
下伊那支部からは、副委員長がへき地性が増している現状を次のように訴えました。
 要望項目一、4、(2)(3)にかかわって、前回見直しが行われた2002年度に比べ、更にへき地性が増している現在のへき地がっこうの現状を訴えながら、級地見直しに関して現行水準の維持改善及びへき地手当tの改善がなされるよ強く要求したいと主ます。
 2002年度に行われたへき地学校の指定見直しから6年間、交通条件や文化的諸条件について一定の改善がすすんできている部分もありますが、それ以上に、都市部地域の社会的・文化的・経済的諸条件は向上しており、いわゆる相対的「へき地」性は一層拡大しています。それどころか、へき地級地算定要素となっている交通、医療、郵便といった生活に密着した面では、かえって不便になった部分も多くあります。そのため、へき地学校に勤務する者にとっては生活が改善されてきているという実態も実感もありません。
 長野県内において、高齢化率が最も高い市町村はどこでしょうか。それは長野県の南端に位置する天龍村です。65才以上の人口割合は52%です。これは、2人に1人が65歳以上ということです。6年前は46%でしたので、6ポイント上昇したことになります。年々高齢化率が上がってきている現在の状況では、村の財政状況も厳しく、学校教育への影響も大きいといわざるを得ません。しかし、天龍村にある、天龍小学校、天龍中学校は残念ながら、現在へき地指定を受けていません。大変おかしな事です。
 へき地学校指定の算定要素である、交通・医療に関してもへき地性は増大しています。バス路線に関しては、地元バス会社が多くの路線の縮小・撤退を表明しています。千代小学校、千栄小学校、竜東中学校の3校のへき地学校をその路線沿線に持つ千代線では、6年前一日3運行していたバスが、現在は一日1本になってしまっています。利用者は少ないとはいえ、地元住民の大切な交通手段であり、その影響は大変大きいものです。医療に関しては、全国的に医師不足が問題となっていますが、長野県に於いても例外ではありません。下伊那地域の総合病院は飯田市立病院ですが、常勤の眼科医師が不在となり、今年度の5月から眼科が縮小され、新規の患者の診察は行われておらず、いずれ無くなってしまいます。そうすると、「内科・外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科を含む」という総合病院の条件を満たさなくなってしまいます。
 この他にも、様々な面でへき地学校のへき地性は大きくなっているのが現状です。昨年度の確定交渉において、『今後のへき地級地の指定見直しにあたっては、へき地勤務者の勤務状況・生活実態を踏まえ、現地の把握に努める』と確認されており、更に7月に行われた独自要求提出交渉においては「必要に応じて現地調査を行う」ことも確認されていますので、ぜひその方向で検討していただき、へき地性が益々増大しているという現状を認識していただいた上で、適正な見直しをお願いしたい。
 一方、諸手当等の改善についての「現行の基準による」という回答はなっとくできるものではありません。今年度7月に行われた、独自要求提出交渉においては「長野県のへき地手当は全国的に見て極めて低いという認識はある」ということが確認されているにもかかわらず「現行の基準による」でははなはだ不満であります。更に先日の義務特手当の交渉では、山口教育長から「一昨年のへき地手当等の削減も含めて今日みなさんの想いを聞きました。交渉の経過を深く受け止め、今後も誠意を持ってこの問題については話し合いたい」というコメントがありました。これらの具体を是非示していただき、諸手当等の改善に関する回答部分についてはぜひ再検討をお願いしたい

「現場実態の把握努力については変わりない。必要によっては現地調査を行う」


通勤手当を改善すること。大きな燃費の悪い車を使わなくてはならない実態がある。
高速の利用の制限について検討してほしい。支給要件の緩和を。
「変則勤務者への配慮についても課題認識を持っている」


学校事務職員・栄養職員等の超過勤務手当の完全支給に際しては、超過勤務手当の趣旨を踏まえた支給となるようにすること。また、超勤手当の支給率を100分の150に引き上げること。
「教頭も含めて、校長会等を含めて指導して参りたい」


義務教育等教員特別手当、教員特殊勤務手当の交渉での回答を受けての確認。
へき地手当等決着済みではない。教育長からもコメントがあった。改善の認識があると承っている。
「コメントに出したとおり、課題意識を持って話し合っていきたい。」


単身赴任手当の支給額を引き上げるとともに、距離要件の緩和などにより支給対象を拡大すること。
採用時から結婚、子育て、介護等の事情を持つ場合がある。採用時にも勤務地についても本人の同意があると言うがそうではない実態もある。単身赴任となってしまっている。個人事情を言うと合格しないかもしれないという危惧がある。
「今のような特殊な事情については面接時に確認している。校長の指導について、選考基準について、それを言うことで不利になることは一切ない。噂的なことが流れているとしたら正していく必要がある。今のような不安があり本音が語れないとしたら、正していく必要がある。そういうことが無いようにしたい。配慮できることは配慮していきたい」
受験者への説明はどうするのか。
「今までも受験者に伝えていた。誤解の無いように面接時に念を押して確認したい。」
「採用選考の問題については改善策を提示していきたい。校長等の指導も含めて」

現場の声 現在進行形のケースもある。個別に話をさせてもらいたい。
「面接時には何と言っているのか」
面接時には「全県どこでもよい」と答えている。
「校長に相談してもらいたい。100%うまくいくとは言えないが」

10
メンタルヘルスの管理職研修。 長時間勤務に関わる医師による面接指導。校長への周知徹底、働きかけをしてほしい。
「校長については総合教育センター研修で、1年目については義務付け。1年目でない校長にも研修していきたい。教頭についても総合教育センター研修に位置づけてもらっている。」
聞き取り結果の実態はどうか
「主幹主事の学校訪問で聞き取りをした。長時間勤務1ヶ月80時間を超えている部分。小中学校ともに60校程度。小学校においては学校当たり、1.2名、中学校1校においては学校当たり5人から10人、平均1郡市で20人程度が80時間以上超勤している。
「長時間勤務に関わる医師の面談は法制度の中でしなければならない。指導していきたい。文科省の意向を受けて、市町村には通知している。管理職指導の中で行っていきたい。超勤縮減については大切に考えている。通知を出している。医師の面談についても市町村に体制作りをお願いしている。学校よっては校医の利用もお願いしていく。特別支援学校においても同様である。」

11
超勤の縮減問題
月80時間、週20時間の時間外の勤務、1.5倍の給料にするか、業務を3分の1減らすしかない。新CSの試行も来年度始まる。長期療休者が増えてしまう。本気のとりくみをしてほしい。
超勤縮減通知の扱いはどうなっているのか
「超勤縮減通知の扱いについては、県としても学校現場に回覧、コピーをお願いしている。その状況について、実際には65%がやっている。口頭が35%。徹底を欠いていて残念。校長会を通して確実にやっていきたい。」
「職場での扱いも合わせて、改めて指導を徹底してきたいと思っている。職場内での協議も含めて指導していきたい。」
主事訪問に関わる現場の声
・県教組調査と主幹聞き取り調査結果が乖離している実態がある。上小支部では主幹との懇談を年2回行っている。6月の回答は「1校もない」だった。その後自分の勤務校にも来たが、聞き取り結果については「誰もいなかった」という答えだった。部活動の手当整理簿やセキュリティの整理簿を確認してほしい。通知も不徹底。校長が知らなかった。
割り振り・代休措置の実施
「学校長が勤務として認めたものは対象となる」
泊を伴う行事に対する他日適切な配慮
現場の声 年休を選択している教員が多い。年休75%、軽度な勤務23%、承認研修2%という実態。年休ではなく回復にしてほしいという声。勤務時間の割り振りを検討してほしい。
「3対応についての学校長の指導をしたり、主幹訪問の説明事項に入れていく。校長の理解不足について反省している。学校訪問の際にも指導していく。全体指導の中でやっていく」
文科省の教育現場の負担軽減等の通知に基づく県としての具体策。指定校研究の軽減など。
「現在、調査して、文科省に報告している。今後のことは協議させてもらいたい。」
作品募集、各種持ち込まれ仕事の軽減
現場の声 小諸市の持ち込まれ仕事の実態。半強制的な参加をしなくてはならない、各種行事がたくさんある。英語教育、環境教育、キッズISO、生活実態調査等々。
「業務軽減を図る。県の指定については研究発表を減らした。文科省についても、小中それぞれを小のみと変更。持ち込まれ業務についても軽減をお願いしている。他団体からの依頼についてもかなりの数、断っている。市町村教委とは対等の関係なので、指導する立場にはない。その点理解してほしい」
「県教委として、関係機関にお願いしていくことはできる。」
残業時間が非常に多い実態について、青年部長より説明。10万円以上のサービス残業。
職場での真剣な議論をしてほしい。
「私どもとすればそれぞれの学校で調査はさせていただいている。把握できていない部分があるとすれば今後調査する。」
勤務時間の短縮について、地公労で15分縮減が合意され、国でも動き出している。学校現場どうするのかは大きな課題。昼の休憩に15分つけられると困ってしまう。対応について話し合ってほしい。
「学校現場の声を踏まえた対応をしていくということで、それぞれ抱えているのものが違うので、それぞれに十分話し合っていきたい。」

12
部活動に関しての改善
「運動部活動の調査。中学の運動部活動、70%近くは地域のスポーツクラブ化している。」
中学の文化部活動、小学校の課外活動の実態は
「小学校では、抽出調査の結果実施率は、合唱クラブ41.7% 器楽25%。週辺りの活動日数は合唱4.5日、器楽5日、平均活動時間1日合唱30分、器楽23分という結果だった。子どもの負担にならないように曜日を割り振り。複数顧問で担当。日課の工夫。短時間で集中的に活動しているという結果だった。」
「体育センターのデータをベース化して、HPにアップしてできるようにした。また過去のものもペーパー化して利用できるようにした」

13
育児のための短時間勤務制度 現場にはいろいろな困難がある。他県の例に倣って有効に機能させてほしい。
育休等に関わる事務引き継ぎ期間の改善。せめて旅費だけでも支給してほしい。
「どうしても育休任期付き職員は、正規職員では無いと言うことで壁があり、なかなか難しい」

14
障害児学校における内部事務総合システムの運用
「あまり進捗していない。遅れている。皆さんにお示しできる状況ではない。」

15
年休の行使。夏季特休の取得推進。夏休みの勤務についてお盆の学校当番を一般職にも割り振っている管理職がいる。指導してほしい。
「実態を把握していないので、把握させてほしい。」

16
妊娠者の業務軽減のための加配。
寄宿舎職員の宿直代替。臨任者の妊娠者の宿直代替。育児における短時間勤務制度で同時に解決できないか。
「運用で何とかできないか検討していきたい。」
現場の声 子どものいる初任職員。育児のための短時間勤務制度を使うかやめるかしかないと思いこんでいる。管理職の配慮をしてほしい。
「個々の事情についてくみ取って配慮していくように校長会等で指導していきたい」
「10年研の1年延期についても周知していきたい。」

17
臨時的任用者の生活権の確保への努力。任用期間の更なる見直し。
「法令違反のサービス残業は行わせない」
栄養教諭は教員の中断期間が適用。栄養職員は行政職の中断期間が適用される。同様の仕事なのに扱いが違う。差をつけるのはおかしい。事務職員についても合わせて検討してほしい。
「中断期間の取り扱いについては教諭とそれ以外は取り扱いを異にしている経過がある。それを踏まえた上で話をさせてもらいたい。」

18
再任用制度の格付け。重要な制度なので全職員に周知してほしい
「全職員への通知はこれから。来年の4月にさせていただく。」
「格付け問題については引き続き協議させてもらう」

19
教員採用試験について。開示の結果を聞いてショックを受けた。どうして不合格なのかわかるようにしてほしい。心ない管理職や主任の声がけもある。補欠合格者の扱いの改善を。一次免除をしてほしい。
「教員採用選考の見直しについてはチームを作って検討している。基準や開示等含めて検討している。」
「開示内容も含めて、あり方を検討している。性格検査については現状通りで行っていきたい。全員に実施していきたい。この結果は開示しない。改善チームの検討結果は今年度中に明らかにする。」
「補欠合格者の一次免除は検討していない。」
「繰り上げ合格については最大限努力していく。」

20
職場の民主化。
パワハラ防止要項の設定を、相談窓口の設置を。
「パワハラ相談窓口は主幹主事。管理係で担当する。セクハラガイドラインを作ったので、資料を使って活用して防止に役立ててほしい。」
「校長研修で扱っているが、職場への資料配付については研究させてもらいたい」
主幹主事訪問の内容。現場の課題に合っているのか。

透明性のある、公正公平な管理職登用を
「教員採用選考と合わせて、チームでの検討が予定されている。現在はなされていないが、今後検討に入っていく。ある程度の時期、今年いっぱいでやっていきたい。来年度の採用試験、登用に間に合うように12月の定例会に間に合うようにしていきたい。」
現場の声 介護を抱えている。異動は見送ってほしいと希望したが、人事が動かないからだめと言われた。近くの学校へ異動へと希望したが、2月になって1時間以上かかるへき地校に赴任になってしまった。免許更新、旅行的行事の付き添いも大変。校長会での配慮を徹底してほしい。
「個別の事例については対応していく。」
セクハラガイドラインの設置ありがたい。研修もしてほしい。
「相談窓口については各校に設置するように依頼している。92%が設置しているという調査結果を聞いている。」

21
新しい職の設置
「来年度については設置しない。」

22
教員評価制度について
「今までの姿勢と変わりない」

23
30人以下学級。臨任対応が出ている。現場には大きな負担。中学校、高校への拡大をしてほしい。現在のレベルの維持をしてほしい。
「小学校段階では維持に向けて努力していきたい」
「中学校への拡大は困難である。財政上、他県の状況を見ると、中学校で対応している場合は小学校を制限していることが多い。」
「こまやかプランの検証をした上で、有効であるとなれば検討していきたい。」

24
定数法通りの教員配置
来年度の改善の方向は
「労使協議会などで協議してきている。来年度の改善は予算の算定基準の中で、学級編制基準の問題の中で、どういう順序で対応するか検討中。一度には対応できない。」
年次計画等具体的な見通しは
「現在の状況では難しい」
乖離の是正は正規の配置が大前提では
「要望の趣旨はわかるが、臨任の対応もありうる。」

25
障害児学級の開設基準
「変えることは難しい。1名の場合でも近くの学校に支援学級がない場合には、弾力的に運用していきたい。不安定学級については、学校の状況にもよるので、校長が判断によりできる」

26
教職員の加配。
事務職員10名、栄養職員9名の採用で臨採解消ができるのか
「一気に解消するのは難しい。今年度については一定の努力をした。23名欠員を18名欠員にする予定。」
養護教諭の複数配置、非常勤対応が5校あった。基準を満たしていても2校あった。常勤化してほしい。
現場の声 児童数850名以上になる予定。複数基準を超えそうである。前回の交渉では「複数配置ができないこともありうる」という回答だったが、何とか実現してほしい。「基準を超えていれば、常勤の配置をする」という回答をしてほしい。
「22通の手紙が来ている。養護の先生からきたもの。全て読ませていただいた。切実な実態が書かれていた。対象に満たない学校でも複数配置をという要望も11あった。5校については感謝の手紙をいただいた。基準に満たなくても配置している学校。基準のみで決めているわけではなく。大変な状況にあるところに配置させていただいている。」
まず基準通りの配置をしてほしい。
「穂高北小は2.3年後どんどん増えていく状況。基準を超えたり、割ったりという学校についてはその度に配置を見直すわけにもいかない。微妙な要素もある。」
現場の声  下伊那支部から委員長が和合小学校の飛び複式学級の実態について発言しました。
no212.JPG
 へき地学校が29校を数える下伊那地区ですが、その中でもよりへき地性の高い2級の学校は3校を数えるのみです。来春には遠山中学校への統合が決まっている上村中学校、全校児童20名、県の加配と市の加配を1名ずつ頂くことで学校を支えていただいている上村小学校、そして、これからお話しする阿南町立和合小学校の3校です。
 和合小学校の児童数は現在2年生3名、4年生2名、5年生2名の合計7名です。現在2年生で1学級、4.5年生4名で複式学級による1学級の合計2学級編成です。この写真は和合小学校の今年度の入学式の写真です。「たった1名の入学式」ということで品の毎日新聞の記事にもなりましたのでご記憶の方も多いかと思います。しかし残念ながらこのときの主役である、今年度入学した、ただ1人の1年生は諸事情で8月に他県に転校してしまいました。
 このことにより、和合小学校の来年度の学級編制に困難が生じることになりました。来年度の入学予定児童が3名ということで、来年度は1年生3名、3年生3名の飛び複式の学級が1つ、5.6年生による複式学級が1つの2学級編制になってしまいます。
 現在、1年生を含む場合の複式学級編制基準は国、県とも8名まで、飛び複式学級の場合は一方の学年の人数が4人までとされており、残念ながら和合小学校のケースはそのいずれにも当てはまりません。
 複式学級編制による指導上の困難はここで言うまでもなくたくさんあるわけであり、その解消のために県教委にも格別のご尽力をいただきいているわけですが、これが飛び複式となると、困難性は格段に上がります。連学年では学習指導要領のくくりもあり、A学年、B学年の設定をすることで、社会や図工などいくつかの教科では単元を入れ替えることで一斉指導が可能になります。しかし飛び複式学級ではそれは不可能です。担任1人で入学したばかりの1年生と3年生を同時に教科指導するのはきわめて困難です。
 そもそも飛び複式学級では指導教科そのものに違いがあります。1年生では生活科がありますが、3年生では社会科、理科、総合的な学習の時間があります。また教科指導数も国語、音楽、図工、体育は1年生の方があわせて65時間多く、逆に算数は3年生の方が29時間上回っています。いったいどうやって時間割を組めばよいのか想像もつきませんが、かなり困難であることは確かです。
 また、担任は教科指導だけでなく学習習慣や学校のシステムなどを指導する必要があります。その場合はやはり1年生に教科指導・生活指導の重点が置かれることになり、3年生への十分な指導に困難が生じることが予想されます。
 今、述べてきた理由で和合小学校では1.3年の飛び複式学級ができると、2名の学級担任だけでは教育課程をつくることはきわめて困難です。窮余の策として、担任以外の他の職員が例えば3年生の理科・社会科、5.6年生の社会科を担当する場合も考えられます。和合小学校においては、教頭が担当するほかないわけですが、正規の教科時数だけでもかなりの時間数である上に、へき地2級という立地から、3年生における消防署、警察署、市場、商店等の社会科見学等は全て半日から1日の日程を組む必要があり、教頭の業務に差し障りが出てくる懸念があります。
 「へき地に教育あり、教育にへき地なし」。和合小学校の運動会は地域の運動会も兼ねているので、老若男女が交ざりにぎやかに行われています。子どもたちは地域の宝として大切にされています。学校田の作業では他の学校と変わらない広さの田んぼを、7名の児童で田植えから稲刈りまでの作業をがんばってやっています。
 他県の状況を見ると、鳥取県では本年度学級編制基準を改めて、飛び複式学級は設置しないことになりました。複式学級、山間地教育の課題に対しては、常に全国をリード
するとりくみをされてきた長野県教育委員会の格別な配慮を持って、来年度、和合小学校に是非加配職員を配置していただけるように、和合小学校児童・職員・保護者と共にお願いします。
「個々での対応と言うことで検討させてもらいたい」

27
教職員採用の増加
学級数は昨年度より14増えている。欠員が150名以上生じているはずだ。採用理論値から言ってももっと多くの採用があって然るべきである。長野県は採用減っているが、東京は増えている。倍率も周辺の県の中で2番目に高い。
「定数内臨採が微増しているという認識である。」
「採用理論値は理論値なので、その年の状況も踏まえて微調整していきたい。」
「採用理論値の元の考え方は現状より将来は教員定数が減っていく、児童数、学校統合など考慮して考えている。その時に10、20の採用では困るので、安定した採用のためには理論値が必要だ。ただし、その年々に状況を踏まえて考えていく必要がある。」
あて主事の削減を
「数として減るかどうかははっきりしていない」
職場の声 隣県新潟の3倍以上、国庫負担基準の3倍以上の数である。
「明確には言えないが、数の検討も考えている。都道府県で抱えている主事と市町村で抱えている主事もいるので調べて対応していきたい。」

28
新学習指導要領実施に伴って加配が必要になっている。
「まだ進んでいない。人事の関係もあるので至急進めたい。」
「加配はすりあわせの状況によって考えていきたい。もう少し時間がかかる」

29
研修・研究について 
現場の声 教育課程の指導案の負担が大きい。超勤、休日勤務の元になっている。教材研究が時間内にできないことがストレス。
指導案なしで、生徒の動きを語り合い、指導技術を高める研究をしている。同僚性が大切。管理職の資質と合意の問題。対外的な授業も3枚の指導案で行った。画一的になっている点を見直したい。民間サークルの成果なども導入していったらよいか。
「教育課程研究協議会は3者共催なので、運営委員会が開催されるので、次年度のことも協議されるので、県教委としても関係者の意向を聞きながら何ができるか研究していきたい。」
「1枚指導案から1歩踏み出して検討していきたい。」
「主事の指導も徹底していきたい。」
「研究のあり方について現状はお聞きしたので、研究していきたい。」
初任研の負担軽減
「検討している」

30
障害児教育の充実
長野地区の特別支援学校の統合について
現場の声 インクルーシヴ教育の理念を生かしてほしい。県教委の推測数より特別支援の子どもの数が多いという実態。特別支援学級、特別支援学校の肥大化につながっている。
養護学校、分校との設置をしてほしい。
給食は学校教育の重要な一部という認識はあるか
「協議会で議論を続けているが、作業部会で各案の分析検討をしている。引き続き検討をしていきたい。議論を深めるために論点提示はしている。」
「本県としての特別支援教育の議論を協議会の中でしていきたい」
「学校給食について、基本的には考え方は変わっていない」

31
免許更新制
現場の声 免許更新制への不安。受けないと教壇に立てなくなる。更新期間によって温度差がある。交通費も大きな負担になる。講師の確保が今以上に難しくなる。もう1度やりたいと思っても負担が大きい。廃止・凍結を求めるとともに、せめて費用の一部を負担してほしい。
開設講座を増やしてほしい。不足した場合は県で対応を。
「信州大学では来年度1800人可能。何とか収まるのでは。県下の8大学の協議会で検討している。長野県だけでなく下伊那などは愛知県も選択肢になる。」
養護教諭向けの講座を確保してほしい。旅費の保障をしてほしい。
「信大では無理。飯田女子短大で検討している。」
来年度の講座開設の見通しはいつになるのか。
「信大では12月1日の締め切りに向けて文科省へ申請中。」
10年研との整合性
「対象者全員校内研修の5日間については負担軽減する。運営委員会で協議していきたい。」
受講料の公費負担。
「特に情報はない。現時点では考えていない。」

32
公立学校の2段階選抜 和歌山では廃止になった。現場の負担が大きい。
現場の声 アンケート結果より。静岡県の実情より。
「アンケート結果については詳細には把握していない。」
高校再編
現場の声 再編の校名発表については12月ではなく2月にしてもらいたい。
「再編案が否決された経緯もある。凍結して1年間研究して、6月に答申案を出した経緯がある。県の考え方に対して、旧通学区毎に受け止めて議論していただきいておりありがたい。旧2通学区については意見交換をさせてもらった。神奈川の学校について視察していることも伺った。その学校は進学的な学校と承知している。高校再編問題は現在進行形である。順を追ってやってきている。12月には案をお示ししたい。大北、佐久でも議論してもらっている。12月までの議論の様子を見て判断したい。進行形なので是非やらせてもらいたいが、そう言う考えが現場にあることも承知している。12月に県教委として判断していきたい。当然説明もする。」

18:50 中断 再検討に入る。

19:38 委員長、書記長が呼び込みに入る。

20:18 再回答を持ち帰る。執行委員会にて協議。

20:37 説明
再度押し込みしたい。
回答の主な内容
「職員の健康について。時間外勤務、超勤見直し。持ち込まれ仕事の軽減。寄宿舎教員も含めて。
10年研との関わり。育休明け1年猶予の周知。免許更新制に関わって校外研修5日間の短縮。講座開設の努力。
人事評価について
メンタルヘルス セクハラパワハラ
内部事務総合システム
特別支援教育について標準法との乖離を回答に入れる。
教育課程について回答に付け加える。
定数内臨採について理論値は決まったものではない。しがみつくつもりはない。
教職員の定数内臨採解消に努める。
初任研報告の簡略化」
養護教諭の複数配置については押し込みをする。

下伊那の意見
調整額、へき地手当については義務特手当交渉での教育長のコメントもあったので、何とか回答もしくは口頭メモに入れてもらいたい。
回答、口頭メモには含まれていない。姿勢を示してもらいたいという要望、コメントしてもらいたいという要望があったと伝えてくる。

20:45 押し込み
21:00 執行委員会で協議
21:05 説明
・回答
1 学校栄養職員・事務職員の任用について引き続き、努力する。
2 年度末における臨時的任用の教員(欠員補充等)の中断期間の取扱いについて徹底する。
3 「長時間勤務による健康障害防止のための医師による面接指導」が適切に実施されるよう、周知徹底に努めるとともに、関係機関にも実施体制の整備を働きかける。
4 時間外勤務縮減については、通知の周知徹底を図るとともに、職場での協議を指導する等、改善に向けて努力する。具体的には労使協議会の場で話し合う。
5 教育職員の勤務時間の割り振りや給特条例に基づく配慮が適切に実施されるよう、管理職の指導の徹底に努める。
6 学校に対し要請される、作文・ポスター等の作成・応募、行事等への参加に関わる学校の負担の軽減への協力について教育関係機関に引き続き働きかけていく。また、当該の県関係機関に要請内容の方法・時期等見直しを依頼していく。
7 育児のための短時間勤務制度の円滑な運用に向けて、組合との協議を継続する。また運用に係わる問題が生じた場合には、誠意を持って話し合う。
8 退職後、再任用対象期間中に新たに再任用を希望する場合の窓口は、各教育事務所の主幹指導主事とする。また、再任用制度の内容について、全職員に周知する。
9 10年経験者研修対象者で、育休明けの職員については、本人の希望により1年間研修を猶予できることを周知する。
10 特別支援学校の教職員定数については、標準法との乖離を認識した上で、県基準の見直しも含め、計画的改善に努力する。具体的には労使協議会の場で引き続き話し合う。
11 教員免許更新制の実施に伴い、10年経験者研修の校外研修の日数を5日間削減することを検討する。(平成21年4月1日適用)
12 養護教諭の配置について検討する。(平成21年4月1日適用)

口頭メモ
1 教職員の定数内臨採の解消について努力する。
2 教職員に係わる新たな人事評価制度については、組合と十分協議する。
3 再任用職員の給与の格付け等の課題について、引き続き誠意を持って話し合う。
4 へき地級地の指定見直しにあたっては、へき地勤務者の勤務状況・生活実態を踏まえ、現地の把握に努める。
5 全ての管理職がメンタルヘルス研修を受講できるように体制を整える。
6 勤務時間の割り振りが適正に行われるよう、勤務時間管理の方法等について研究する。
7 生徒や教職員の心身の健康を守るため、学校運動部活動の適正化に努める。また、調査結果を踏まえ、課題の解決に向けて努力する。
8 セクシャルハラスメントの防止に向けて相談窓口を設置するよう徹底するとともに、パワーハラスメントについても管理職への研修や職場での共通理解に努める。
9 内部事務総合システムの再構築に向けては、学校現場の実態を踏まえ、現場に負担増や混乱をもたらさないように慎重に対応する。
10 教員採用、管理職の選考については、透明性の確保等より一層の改善に努めるとともに、組合の要望を聞く場を設ける。
11 長野県における特別支援教育の在り方について、関係者の意見を聞きながらまとめるよう努力する。
12 特別支援学級の開設については、山間地等一層弾力的な運用について努力する。
13 教員免許更新講習の県内での開設講座が十分確保できるよう責任を持って対応するよう努める。
14 報告書の簡略化等、初任者研修の負担軽減について努力する。
15 勤務時間の短縮を実施することとした場合には、学校現場の実態を踏まえ、組合と十分に話し合う。
16 教育課程研究協議会の負担軽減について具体策を研究する。教育課程研究協議会の授業研究については、過度の負担にならないよう、単年度研究であること「学習指導案は要を得た簡潔なものにする。例えば『1枚学習指導案』など」であることを更に一層徹底する。

21:45 県委員会中断、回答内容について、もう一度執行委員会にて検討

22:10 県委員会再開
県とのやりとりの結果、一部を訂正して再提案する。承認

22:20 交渉再開 
回答の読み上げ 教育長のコメント

22:36 妥結

 厳しい情勢を反映しての結果となりました。下伊那支部としては来年度のへき地級地の指定見直し、さらにはへき地手当、寒冷地手当等の改善についてを中心に、今後のとりくみを強め、県当局にも訴えていきたいと思います。今までのご支援・ご協力ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。