泰阜地区で第1回山間地訪問を行いました。

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 14日に泰阜中学校を会場に、今年度の第1回山間地訪問を行いました。今年度はへき地級地指定基準見直しの年になっているので、時期を例年よりも早めにして、懇談の他に現地調査を行いました。
 現地調査では執行委員や山間地問題対策委員が、実際に泰阜中学校~JR田本駅、泰阜南小学校~JR温田駅、泰阜中学校~泰阜村役場、泰阜南小学校~泰阜村役場などを徒歩や自転車、自動車などで歩いたり、走ったりして、距離や狭あい、急勾配の様子などを調べてみました。いずれもへき地級地の点数算定にあたって大切な資料となるものです。特に泰阜中学校~JR田本駅間は途中からは人しか通れない急な坂道が続いており、想像以上の険しい道だったようです。
 また、JR田本駅の時刻表や、文化施設とされる阿南文化会館、食料品購入地とされるナピカなども実際に現地調査をしてみました。
 懇談会には、泰阜中学校の皆さんの他に、泰阜北小学校、泰阜南小学校のみなさんにもお忙しい中ご出席いただきました。自己紹介、執行委員長のあいさつ、各職場長の皆さんのあいさつの後、書記長からへき地に関わる情勢報告がありました。
 続けて懇談に入り、まず泰阜3校の点数計算の仕方について委員長から何点かの説明がありました。前回見直し時の地教委作成のものと、今回の見直しに向けて各校に記入いただいたものを比較しながら、第一は基本点の交通機関のない部分における狭あい・急勾配、交通機関のある部分の運行回数補正がポイントになることを説明しました。また付加点については、遠距離児童生徒の率、学用品等の購入地、図書館・博物館等、食料品購入地又は日用品購入地などの点数基準と具体的にどのように記入すべきかについての説明がありました。
 続けて懇談の前に行った現地調査報告があり、それぞれの区間の距離や、施設の様子について、目の当たりにした様子が報告されました。
 その後、参加者の皆さんから実態について切実な声が出されました。
「実際に住んでみたり、通ったりしてみるとわかることがたくさんある。」
「山道を走るのは大変。食料品も毎日飯田まで購入しに行かないといけない。町場で働いている先生との違いを考えると活力が無くなってしまう。」
「学校まできてくれる教材屋さんは2軒しかないので、授業の準備が大変。病院に行くにも半日がかりになってしまう。」
「阿南町のナピカがあるが19:30に閉店になってしまうので間に合わず、飯田のサティまで買い出しに行かなくてはならないのが実態である。」
「学校まで片道32kmを毎日通勤している。すでに赴任以来タイヤを3セット交換した。帰りのバーストを起こした職員もいる。タイヤは2年足らずで摩滅してしまう。」
「タイヤが通勤途中にバーストした。タイヤ交換をしたり、スリップサインを頻繁にチェックししていたが、思った以上に摩耗が激しい。通勤路の7割以上がカーブであることも一因。」
「高速道路を走っている途中にタイヤから白い煙が出てきた。特にタイヤの内側の減りが早い。自動車屋さんが泰阜では自動車の寿命が短くなると言っていた。」
「冬の期間は、今よりもっと悪条件になる。すれ違いができない道もあるし、落石などの心配も大きい。」
「学校用務で銀行振り込みをしなくてはならないことがあったが、村内のJAでは手数料が高いので、天竜峡の八十二銀行まで行かないと用が足りなかった。」
「インターネットは一応ADSLということになっているが、速度が遅くてそんな実感はない。」
「最近は燃料費の高騰が著しいが、平地だと1リットル13km走る車が、山道を走ると1リットル10kmになってしまう。」
 予定されていた時間があっという間にすぎてしまい、最後に山間地問題対策委員長がお礼の言葉を述べて閉会となりました。
 校務や学校行事が重なっている中、懇談会に出席していただいた皆さん本当にありがとうございました。また貴重な生の声をたくさんいただくことができました。これからのとりくみの中に生かしていき、へき地級地の維持・改善を実現したいと思います。