1年間、ありがとうございました

「はじめよう みんなと ちいさな 一歩から」
長野県教職員組合下伊那支部執行委員長 小島 正宏

2014年度下伊那支部は「はじめよう みんなと ちいさな 一歩から」をスローガンに1年間の組合活動を行ってきました。このスローガンに込めた願いは「大変だけれども、それ以上に大切な組合活動を、特定の組合員が担っていくのではなく、多くの教職員が、少しずつ負担して組合活動を継承し、発展させていく」というものでした。本年度は、2013年度と比べ、若干名ではありますが組合員を増やすことができました。これは組合離れが進む今の社会では大変大きな成果です。これも、各職場の職場長、評議員の先生をはじめとした、組合員の先生方のお力によるところが大きいと思います。
では、本年度のとりくみを具体的な活動を挙げて振り返りたいと思います。
まず4月に「退職組合員感謝慰労の会」が法制部を中心として行われました。対象の先生方にご案内を出したり、個人的にお声がけをしたりしていましたが、ここ数年はご出席いただける先生が減少しているという課題がありました。幸いにも本年度は5名の先生のご出席をいただき、先生方からは改めて組合の大切さについて教えていただくことができました。組合活動の精選化をしていく中で、この会のあり方、存続も検討の対象として話題に上がることもありましたが、この会が長年にわたり継承していることの意味や、開催することの意義を再認識しました。私たちは組合活動への入り口では、組織拡大のために最重要課題として先生方に組合加入のお誘いやお願いをします。1名でも新規加入者がいれば大きな喜びとなります。しかし、ご退職まで組合を辞めずに続けてくださった先生の存在は、ややもすると意識しないままでいることがあります。50代の先生の組合離れが大きな課題となっている中、ご退職まで組合員でいてくださった先生方こそ、感謝の意を表しなくてはいけないということをこの会を通じて感じました。正直、そういったことに思いが至らなかったことを深く反省する機会となりました。
10月には社対部を中心として「地域とともに 飯伊共育フォーラム」が行われました。昨年度は台風の影響で中止となってしまいましたが、本年度は内容を大きくリニューアルして行いました。今までは、親子で楽しめる分散会形式でしたが、全体会1本に絞りました。「下伊那を知る」という大きなテーマを設定し、本年度は「満蒙開拓平和記念館」の寺沢専務理事を講師に迎え、「下伊那における満蒙開拓の歴史」を教えていただきました。約60名の地域の皆様、児童生徒、保護者、教職員が参加し、研修を深める時間となりました。下伊那で教壇に立つ者として、知らなくてはいけない、多くの人に伝えていかなくてはならない内容でした。参加者のみなさんからも好評をいただくことができ、内容の質を落とすことなく、業務の面でも予算の面でも精選につながる大きな成果となりました。
最後に11月には地公労交渉、県教組独自交渉が行われました。賃金面、臨任者の中断期間の健康保険、年金の継続、子の看護休暇の対象が家族に拡大、へき地手当0.3%アップなど近年にない多くの、そして大きな成果を勝ち取ることができました。今回ほど、組合の大切さ、組合の存在意義、組合員一人ひとりの声を吸い上げ、粘り強く訴えていくことの大切さを実感したことはありませんでした。
本年度のスタートにあたり、下伊那支部情報で、組合活動を運動会の大玉送りに例えさせていただきました。「一人で持ち上げて運ぶには大きく、重すぎる大玉を、みんなが精一杯手を伸ばし、少しずつ支えたり、コースから外れそうなときに軌道修正したりしながらゴールへ送っていきます。中には飛び上がったのだけれども指先が少し触れただけ、ということもあります。触れ方には個々による違いはありますが、大玉を落とさないように送っていこうという気持ちはみんなが持っているのです・・・」まだまだ課題はありますが、この大玉送りの精神を大切に活動することができたと思います。
2014年度下伊那支部の活動のまとめとして「組合活動のあゆみ」が完成いたしました。今年度のテーマである「はじめよう みんなと ちいさな 一歩から」のとおり、今年度のとりくんできたちいさな一歩が次年度以降の活動のさらなる一歩になることを願っています。そして、組合員が900名を割ったとはいえ、引き続き高い組織率を誇る下伊那支部が、さらに組織を強化し、より一層団結を強め、諸課題に向けて強力なとりくみをすすめていってくれることを期待しています。
一年間の皆様のご理解とご協力をありがとうございました。