教育問題専門委員会 答申

2011年2月15日

長野県教職員組合下伊那支部

執行委員長 小林 敏 様

教育問題専門委員会

委員長 田代 一郎

教育問題専門委員会 答申


私たち教育問題専門委員会は,下伊那地区における中学校部活動の,運営指導面,生徒の健康面,保護者負担,部活動手当等について現状や課題を探りたいと思い活動を進めてきました。まず,アンケートを下伊那地区の全中学校にとりました。その分析を,委員会内や,教研集会にレポートを提出して討議し,次の点が明らかになってきました。

①部活動の良さを感じて指導している。生徒も楽しみにしている。

  • 多くの顧問が部活動の価値として,人格形成や精神的な成長を促す大きな役割があると感じて指導をしている。また,生徒指導面での効果や学年・学級を超えた友人関係の広がりが持てること,先生と生徒の絆も深まることなど,有意義であることが多い。

②もっと知って! 部活顧問は頑張っています。でも,自らは言いだしにくい事がある。

  • 部活動の良さを知っているからこそ,頑張っている中学の部活動顧問の先生方。でも,手当の実情や,ご自分の家庭や時間を犠牲にしての部活指導の実情については保護者や周囲の方も知らないことが多いのではないだろうか。

③山間地校や小規模校は部活の存続や練習相手などで困っている。

  • 運動系,伝統芸能系の部員数の減少。
  • 下伊那の特徴として,山間地校や小規模校では練習相手も困っている。

④保護者と部活顧問と外部指導者と連携での悩みがある。

  • 地域指導者の確保が難しい。
  • 保護者との関係:練習量への温度差(「もっとやってほしい」「やりすぎ」)
  • 勝敗を優先せざるをえない考えと,とりくみを優先させたい考えと,保護者や指導者との関係の中で難しい面がある。
  • 部活動の顧問が社会体育・クラブのコーチになる例もあり負担が大きくなった。

アンケートの中には,クラブ 時間・手当についての切実な声がありました。

★クラブという名で吹奏楽の活動をしているのがほとんどです。土,日のクラブもあり,休みがないのに手当もでません。疲れるので平日の授業や学級の運営に支障があります。
★家庭があるので,朝部活に出ることができません。土,日どうしても部活が入り,家庭との両立が悩みです。私の部では生徒も理解してくれることもありますが,保護者の要望もあると大変です。

子どもたちとよい関係をつくりながらも,苦しんでいることが伝わってきます。この他にも,公務多忙で指導時間がない,経験がないため専門的な指導ができない,などの声が寄せられました。

そこで,これら現場の悩みをどのように改善していくかを考え,教育問題専門委員会として,以下について答申いたします。

中学校部活動の,部活動手当,運営指導面,等について現状の改善について積極的なとりくみを進めること

  • 社会体育・クラブの活動が増え,手当の無い指導時間が実質は増えた意味を踏まえた部活動の手当の増額を県教委に要望していくこと
  • 下伊那に数多くある山間地校においても,対外試合に参加しやすくなるように,遠征費の増額を市町村教育委員会へ単組活動を通じて要望をしていくようにはたらきかけをしていくこと。
  • 部活動担当者は様々な悩みを持ちながらも生徒のために自分の時間をさいて活動していることは顧問自身として言いにくいことであるので,組合活動として要望や悩みを積極的に聞き取り、その改善へのとりくみをしていくこと

教研集会等でアンケートの結果をもとに,現場の声を伝えどのように改善していったらよいかを考えました。部活動顧問だけが悩んではいけない,運営面での改善を少しでもはかっていけるようにしていかなければならない等を痛感しました。そこで,組合活動として,上にまとめたとりくみがなされることを切に願っています。

最後に,本委員会の運営に際し,支部執行部並びに書記局には大変お世話になったことを申し添え,支部組合活動のますますの発展を祈念し,答申と致します。