組合活動検討委員会 答申

2011年2月15日

長野県教職員組合下伊那支部

執行委員長  小林 敏 様

県教組下伊那支部組合活動検討委員会委員長

熊谷 力

組合活動検討委員会 答申


私たち組合活動検討委員会では、教職員をとりまく厳しい社会情勢の中で、子どもたち・保護者・地域の方々からの信頼を高めながら、新たな組合活動のあり方について検討を重ねてきました。へき地級地指定の維持・改善、寒冷地手当全県支給、組織財政問題等様々な課題を抱え、下伊那支部の置かれている情勢は益々厳しくなってきています。その中で来年度以降の組合活動の方向性を検討してきた内容をまとめ、以下のように答申します。

1 組織財政の見通し

(1) 組織

高い組織率を誇る下伊那支部ではあるが、内訳をみると正規採用者の割合が下がりつつある。正規採用者はもちろん臨任者も含め、加入促進に引き続き尽力すること。

2001年度以降組合員が1000人を割り込み、年度によって増減はあるものの徐々に組合員数の減少が 続いてきています。正規職員の割合が減っている事や小中学校の統廃合による学級数減・職員数減の影 響も大きいのですが、異動の際に組合を離れてしまうという例も見られるのが実情です。今年度もこの傾向は続いています。一方、公務員制度改革の動きが現実になってくると、組合の存在意義や組織率の高さが重要になってくるため、今後より一層の組織強化を図っていく必要があります。また健全財政維持の面からも組合加入促進のために引き続き地道な努力が必要です。新規採用者については100%の組合加入をめざし、40代50代の正規未加入者についてはその原因を明らかにしつつ、職場会と連携し、個別具体的な対応を検討していただきたい。

① 年度当初の職場組織確立期においては、全職員による職場会の実施を行うようはたらきかける。さらに、執行部が各職場に声をかけるなど直接的なとりくみをする。また、組織強化月間のみならず、年度を通して加入の情宣活動を展開する。

② 組合の意義について分かりやすく伝えることのできる資料の作成を県教組にはたらきかける。

③ 組織率が極端に低いなど加入促進が難しい職場には支部執行部からの支援を行う。

④ 臨任者と語る会や青年部による情報交換会等を通して臨採者の加入をはたらきかける。

⑤ 組合に入ってよかったとか、組合員だけのメリットだと思えるとりくみを検討していく。

⑥ 公務員制度改革に関する政府や国会の動向に注視し、組織強化のとりくみに生かせるような情報収集を心がける。

(2) 財政

組合費収入を支出がわずかだが上回っている現状をふまえ、一層の組織強化のとりくみと歳出削減の努力をおこなうこと

ここ数年、わずかに組合費収入を支出総額が上回ってきています。現在は雑収入や前年度繰越金などにより収入総額が支出総額を上回っているため、今まで通りの予算執行や組合業務を行うことができています。しかし、組合員の減少や給与削減により支部の組合費収入が減少する傾向が続くとすれば、財政運営上支障をきたすことも危惧されます。そこで、今まで以上に組織強化と歳出削減にとりくんでいただきたい。

① 一層の組織強化のとりくみと歳出削減の努力につとめる。

② 組合費負担を減らすことができないか検討する。

③ 下伊那支部の地域性を考慮し、諸会議の旅費は現状維持とする。

④ 教育研究集会の旅費の金額を検討する。

⑤ 各部の活動を検討して経費削減をすすめるとともに、役員数の適正化について検討する。

2 全県をリードしてきたへき地級地の維持・改善、へき地手当・準ずる手当の支給率引き上げ、へき地特昇にかかわる昇級号俸数引き上げ、寒冷地手当の全県支給に向けた支部のとりくみを継続し、全県に広げること。

今年度の執行部も、へき地級地指定基準の県条例委任を視野に入れ、へき地級地の維持・改善に全力を挙げてとりくみ、下伊那教育七団体とともに2度の県教委陳情を実施しました。地域主権に関わる法案の国会審議の動向に注視するとともに、へき地学校の子どもたちの質の高い教育を維持し、へき地学校に赴く職員が安心して教育実践に打ち込めるようとりくみを継続していただきたい。また、メッシュデータによる寒冷地指定では、現場実態に合わないことを前面に押し出し、寒冷地手当が下伊那と上伊那の一部の学校で支給されていない実情を広く訴え、全県支給に向けて全組合員の叡智を結集し全県の運動に発展させていただきたい。

3 さらに時間外勤務の縮減や多忙化の解消がすすむようはたらきかけること。

時間外勤務の縮減や多忙化の解消を求める声は、多くの職場からあげられており重要かつ緊急な課題と考えられます。支部執行部においては、今年度も評議員会や単組長会で把握した現状や組合員から届いた声をもとに、一層の時間外勤務縮減や多忙化の解消がすすむように教育会や長頭組への申し入れを実施しました。教育に限りはありませんが時間には制約があります。多忙化の解消がより一層すすむよう引き続き組合員の声を伝え、教育会・長頭組に必要な措置を講じていただけるようはたらきかけていっていただきたい。また、正規職員の割合が減少している現在の職場の実情をとらえ、その改善に向けて広く訴えていっていただきたい。

4 支部執行部の活動実績をふまえながら、社会情勢の変化にともなった組合活動のあり方についての論 議を行い、改革を一層進めること。

(1) 単組活動がより活発に行われるよう直接・間接のはたらきかけや、情報提供にとりくむこと。

市町村合併により、飯田市単組や阿智村単組など活動範囲が一層広域になり、単組の活動が幅広い範囲の職場にまたがるようになっています。また県独自加配教員や特別支援教育支援員の配置が市町村教委の裁量となり、単組活動が益々重要となってきました。そこで、引き続き各単組に担当執行委員を配置するなど、今後も支部執行部が単組活動の充実に向けたアドバイザーとなり、飯田下伊那地区の教育の条件整備および教職員の待遇改善をすすめられるようにしていただきたい。

(2) 支部内の各組織の会議に参加する組合員に、評議員会・代表者会の役割と権限を広く周知徹底 をするとともに、会議の活発かつ適正な運用をはかる。

支部内に組織される諸会議は、支部規約議事運営規定に則りすすめていくものです。そこで、各職場 から選出された職場長・評議員・代議員の役割と権限が4月の早い段階に理解できるようにし、組合活 動に積極的にとりくめるようにしていただきたい。

① 評議員会をはじめとする諸会合の定刻開始に向け、各学校長への配慮を求める。

② 多くの職場から様々な意見が反映されるよう会の進め方の工夫をはかる。

③ 今年度同様に、定刻終了に向け、協議事項と連絡事項の精選をし時間短縮の工夫をはかる。

(3) 各組織役員のとりくみについて周知させるとともに、社会情勢に合わせたメリハリのある活動の検討を すすめることで、役員の負担軽減を工夫する。

5 「組合活動100年のあゆみ」刊行に向けてのとりくみをすすめること。

本年度、支部組合結成66周年を迎え、「50年のあゆみ」以降のとりくみをまとめてきました。しかし、時間的な問題もあり資料収集など十分なまとめができていません。来年度も引き続き記録の収集と整理・保存の活動を委員会や過去の役員に任せるなど、とりくみがすすむように対処していただきたい。