へき地教育振興法施行規則の一部を改正する省令について

 3月13日夕方、文部科学省のホームページ上に表記の省令についての詳細がアップされました。
 下伊那支部としては今回の省令案に対するパブリック・コメントを以下の4点についてを中心にとりくみました。それぞれのコメントについての文部科学省の考え方は下記の通りです。
1 「学用品等の購入地に関わる加点の廃止を撤回していただきたい」
文部科学省の考え方
「今回の省令改正は、地方公務員法第24条第3項(いわゆる「均衡の原則」)を踏まえ、国の特地官署指定の状況を参考にして行うものであることから、ご指摘の点については、改正省令に反映させていません。また、これまで付加点数として算定されていた「食料品又は日用品購入地」は、「スーパーマーケット」と趣旨が重複することから削除しています。さらに、「学用品等購入地」については、鉛筆やノートといった児童生徒が使用する文房具は、スーパーマーケットで購入できること、それ以外の学校事務用品、図書教材、指導用教材については、スーパーマーケットでは購入できないが、業者にFAXや電話、カタログ等で注文することにより入手可能であることから、削除しています。」
2 「当該学校が都市近郊にある場合の減点規定を設けないでいただきたい」
文部科学省の考え方
「「教員給与答申」で「へき地学校のある地域に居住せず、生活が便利な都市部に居住しながら自家用車で通勤している教職員に対し
通勤手当とへき地手当が支給されていることについて、適正であるかどうかを検討する必要がある。」と提言されていることを踏まえ、
改正省令において、都市近郊にあるへき地学校の教職員の生活実態や通勤実態など当該学校が所在する地域の実情に応じて、30点以内で都道府県教育委員会等が定める調整点数(改正省令第6条の2)を減点できる規定を新設しています。」
3 「人口減少率や高齢者比率、若年者比率など人口動態の変化について、付加点数の算定に加えていただきたい」
文部科学省の考え方
「へき地学校とは交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島その他の地域に所在する小中学校等であり、へき地学校等指定基準は、当該学校のへき地条件の程度の軽重を測定するものです。一方、過疎法で定義されている「過疎地域」は、人口減少率や高齢者率、若年者比率といった人口要件や財政力指数といった財政力要件に該当する市町村の区域を定義しているものであり、へき地学校の定義に直接的に関わる要素とは言えないことから、ご指摘の点について改正省令には反映させていません。なお、今回の省令改正は、地方公務員法第24条第3項(いわゆる「均衡の原則」)も踏まえて、国の特地官署指定の状況を参考にして行うものであり、この点からもご指摘の点を改正省令には反映させていません。」
4 「へき地教育振興法施行規則の改正にあたっては、へき地学校の所在する地域の現地視察を行っていただきたい」
この件については、文部科学省の考え方はホームページ上に示されていません。

 省令の内容は、残念ながら私たちがパブリック・コメントで訴えを十分に反映しないものとなっています。しかしながら、一読すると減点規定の一部など、これからの県段階のとりくみでの足がかりになる内容も含まれています。大都市との相対的へき地性は解消どころかむしろ広がっており、従ってへき地級地は維持・改善されるべきであるという私たちの考え方の基本は変わっていません。
 これから山間地問題対策委員会と中心に、今回の省令の内容を子細に検討する。下伊那の各へき地学校の実態をもう一度調査し直す。などのとりくみを進めていきたいと思います。各職場のご協力をよろしくお願いします。