ロシア連邦大統領
ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン 閣下
駐日ロシア連邦大使館
特命全権大使 アレクサンドル・プロホロヴィチ・ロシュコフ 閣下
抗 議 文
 
 2004年8月9日、ロシア連邦のルミャンツェフ原子力相が、「今年初めから北極海ノバヤゼムリャ島の核実験施設で、臨界前核実験を複数回実施している」ことを明らかにしたとの報道がありました。
 世界で唯一の被爆国であるわが国は、核廃絶を悲願とする国民であり、世界の恒久平和を願っています。平和憲法を守り、核軍縮・核廃絶はもとより真の平和教育を推し進めている長野県教組下伊那支部は、ヒロシマ・ナガサキの悲劇を二度と繰り返さないよう今回の実験に強く抗議すると共に、今後、一切の実験を中止することを求めます。
 2004年5月26日、アメリカは、ネバタ州の地下核実験場で通算21回目、ブッシュ政権下で8回目の臨界前核実験を行ないました。2000年に行なわれた核兵器不拡散条約(NPT)の再検討会議において、アメリカをはじめとする核兵器保有国は核兵器廃絶へ向けての明確な約束をしたはずです。それにもかかわらず、ロシアとアメリカは臨界前核実験を続けてきています。
 このことは両国が、核兵器を保持し続けようとしていること、核兵器によって世界を支配し続けようとしていることを示しています。そこでは、当然にも、2000年のNPT再検討会議の約束を反故にしようとしている両国の基本姿勢が見えてとれます。貴国は、本気で、核兵器の廃絶を考えているのか疑わざる得ません。
 2005年にはNPT再検討会議が予定されている今、核拡散を誘発する臨界前核実験の強行に強く抗議するとともに、改めて、今後、一切の実験の中止を求めるものです。
 
 
                 2004年8月25日
                   長野県教職員組合下伊那支部執行委員会
                           執行委員長  中田 博